「どうにかして残りたい」伊藤翔のJ1残留に懸ける想い。横浜FCで新たな扉を開く「その土台を作れる一歩目、1年目にできれば」

 横浜FCで5年目。横浜F・マリノス時代(2014~18年)に並び、自身最長の在籍期間を数えるクラブで、伊藤翔が2025シーズンを迎えた。

 チームは1月7日に始動。36歳アタッカーは「みんなフレッシュで、新しい気持ちで“やってやるぞ”っていう感じで集まっている。いいんじゃないですか」と振り返る。

 昨季は33試合に出場してチームトップタイの7得点。1年でのJ1復帰に大きく貢献した。

 近年の横浜FCは昇格と降格を繰り返している。しかも、コロナ禍で「降格なし」が適用された2020シーズンを除き、これまで一度もJ1残留を果たしたことがない。

 いわゆる“エレベータークラブ”とも言われるが、現在のチームに伊藤は小さくない期待を寄せている。

「一昨年にJ1でやっていた選手が残っていて、その選手たちはある程度、手応えというか、落ちてはしまいましたけど、こういう感じなのかとか、これはできるんだなっていうので、良い感覚を得ている選手はいると思う。そこはプラスに捉えてやっていきたい」
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 伊藤もそのうちの1人で、“今度こそJ1残留”の想いは強い。

「どうにかして残りたいですよね。このチームが残ったことがないというその歴史のなかで残れれば、横浜FCのサッカー史に、良い意味で名前を残せると思うので。みんなが、このチームが。そこじゃないですか」

 そのなかで伊藤に求められること。「サッカー選手を何年もやっている。毎年そんなに変わらないというか、もちろんピッチで頑張る」とシンプルかつ明確だ。

 そのうえで「なんとか残留できるような、ちゃんと勝つために、楽しいながらも厳しいみたいな」雰囲気作りも意識する。そして以前にも話していたように、「横浜FCはこういうチームだよ」というカラーも色濃く打ち出していければと考えている。

「その土台を作れる一歩目、1年目にできればなと思います」と伊藤は表情を引き締めた。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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