Blackmagic OSによる制御
新設計されたPYXISでは4インチの高解像度HDRタッチスクリーンが筐体に内蔵された。従来のURSA式フリップ式モニターと違い、完全に筐体内に固定されたモニターである。また、再生時にはサムネイルやメタデータも表示されるので、撮影現場で求められるプレイバック作業に威力を発揮しそうだ。輝度は1500nitと野外でも十分な認識性を保っているが、このモニターのみに頼った撮影はちょっと現実的ではないだろう。EVFもしくはPYXIS Monitorの購入は必須だ。
肝心のOSオペレートに関して、ブラックマジックの他のカメラに慣れている人であれば直感的に操作可能だろう。長年G2を使用してきて心から思うのは、このOSは本当に素晴しく直感的で解りやすいということ。メニューの煩雑さはトラブルに直結するし、何より時間に追われる撮影の現場では設定メニューの解りやすさは非常に大事である。
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URSA Cine Viewfinderおよびアクセサリーと使用可能
それにしても純正オプションのURSA Cine EVFは素晴らしい。上位機種であるURSA Cineとの共通アクセサリーなのも理由の一つかもしれない。オーバースペックと言っても過言ではないクオリティーだ。
今回のEVFは専用のロック式コネクター付きUSB-Cケーブルでボディと接続する。従来のURSA Viewfinderは稼働域も数センチ前後にスライドするだけで、お世辞にも使いやすいとは言えなかったが、URSA Cine EVFはマウント部分が2本の15mmカーボンロッドと1本の19mmロッドで構成され、可動域が大きく、カメラマンの自由な態勢での撮影を可能にしてくれる。特に気に入ったポイントとしてロック部分のクランプその他多くのパーツがかなり頑強に設計されており、多忙な撮影現場でもストレスを感じることなく自分のフレーム作りに集中できそうだ。
また、URSA Cine EVFセットにはソフトアイピースやエクステンションブラケットも同梱され、EVFを延長し、自由なポジションに固定できる(デザインがARRI製品とそっくりなのはご愛敬か)。ローポジション時やカメラマンがドリーに同乗する場合、非常に便利だろう。
現状ではURSA Cine Handle(残念ながら1/4穴が2つしかない)を使用しないとURSA Cine EVFをカメラボディに接続できない構造だが、おそらく近い将来、サードパーティ各社からURSA Cine EVFを取り付けることができるトップハンドルが発売されると勝手に予想している。
残念ながら今回、執筆時にPYXIS Monitorが間に合わなかった。本体との接続は専用のロック式コネクター付きUSB-Cケーブルで接続されるため、使用できるのはEVFかMonitorのどちらか一つということになる(同時使用はできない)。PYXIS Monitorはカメラのすべての設定を行えるパネルとしても機能するらしいので、ご自分の使用環境に合わせてどちらかの購入を選択することになるだろう(両方あったらベストですよね)。