「Blackmagic PYXIS 6K」レビュー。4年間URSA Mini Pro 4.6K G2を使い倒した筆者がPIXISの魅力を解説![OnGoing Re:View]

disadvantage

ここまで良いところばかり上げてきたが、PYXISは悩ましいポイントもいくつか存在する。個人的に思うのは内蔵NDフィルターが搭載されなかったことが非常に残念。あとHSが6K16:9/46fps、4K16:9/60fpsまでしか対応していない点(6K DCI 17:9では48fps)。因みにオープンゲートでは36fpsまでだ。せめてUHDで120fpsは欲しかった。あとProResでの収録も非対応だ(ProResに関しては現場レベルの需要がまだまだあると思うのだが…)。

他にはオートフォーカスや手ぶれ防止機能なども省かれ、今時のライバル機では当たり前になった機能が非搭載なのは意見が分かれるところだろう。またフォーカルプレーン歪みも存在し、音声入力もミニXLRアナログオーディオ入力×1と3.5mmステレオ入力×1となっており、XLR2チャンネルを使用できないのが気になった。

 
  


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あと欲を言えば12G-SDIの映像出力端子がもう1系統あると運用がかなり楽になるのだが…。これはない物ねだりですかね。


コンパクトに設計するにはやはり何かを犠牲にする必要があるのだろう。カメラの使用環境は人それぞれだが、PYXISは活躍するフィールドをある程度選ぶカメラという印象だ。

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最後に

兎にも角にも6Kフルサイズシネカメラがこの金額で購入できることを素直に喜びたい。

新設計の筐体は質感、高級感も十二分にあり、安っぽさは全く感じない点は強調したいポイントだ。周辺機器の拡張性も高そうで、今後サードパーティから発売されるアクセサリー類が楽しみになる。

また、レンズマウントは交換式ではないので購入時のマウント選択に頭を悩ませるが、今ならLマウントモデルを購入し、アダプターを介して好きなレンズを装着するのがセオリーだろうか。しかしEFマウントモデルのカッチリとガタのないロック式も捨てがたい。導入時、一番最初の悩み所になりそうだ。

より高度な性能を求めるならURSA Cine 12Kや17Kが控えているが、掛かる導入コストは数百万円違ってしまう。PYXISに関して絶対的なコスパが良いのは異論を挟む余地はないだろう。細かな部分で気になる点も正直見受けられるが、今後ブラックマジックデザインがリリースするミドルクラスのシネマカメラとしてシリーズ化を大いに期待したい。


special thanks Felicity Cafe(HAYAMA)