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新春恒例の箱根駅伝(1月2・3日)は、青山学院大学が2年連続8度目の総合優勝を飾った。
「大学生の三大駅伝といえば、出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝です。レース前には出雲と全日本を制した國學院大学が史上6校目の三冠達成を果たすか、強豪・駒澤大学が意地を見せるかに注目が集まっていました」(取材記者)
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青学大は出雲、全日本では振るわなかった。ただ、その分、最も注目度の高い箱根に照準を合わせてきたのだ。
「國學院大は昨年10月の出雲、同11月の全日本で連勝し、ちょっとバテてしまった感がある。青学大は作戦勝ちだった」
前出の取材記者はこう語るが、実は近年の箱根駅伝の作戦には「光と影」がある。
スタート直前の約2時間前になると、各校は「区間エントリー」の変更を始める。
出場校は事前に往路・復路5人ずつ、どの選手がどの区間を走るのかを登録しなければならないが、この変更が常態化しつつあるため、実際にどの選手が出場するかはレース開始の1時間10分前まで分からないのだ。
近年は主力選手をあえて補欠に
「年末29日に往復路を走る10人と同時に、6人以内の補欠が発表されます。ルール上では『1日4人』、『往復路合わせて計6人』の選手の入れ替えが可能。出場選手のコンディションをギリギリまで見極めるためで、近年では主力選手をあえて補欠に回します。ライバル校の出方を見て、戦略を練り直すんですよ」(出場校OB)
優勝した青学大、3位國學院大は2日で計4人、2位駒大は5人の選手を入れ替えた。
どの出場大学も直前の選手交代は行っているが、今年の復路で逃げ切りを狙った青学大は9区と10区を当日変更している。
「各大学の監督は、事前にダミー選手には本当のことを伝えます。でも、『作戦だから家族にも言うな!』と厳命されます。毎年、子供の晴れ舞台を見るために上京して来たダミー選手の家族は、沿道で複雑な表情を浮かべていますよ」(同)
直前で変更されたダミー選手は給水係や中継所での世話係をこなすなど、それぞれのドラマも交錯している。
まさにチーム力。繋がれて行くのは襷だけではないのである。
「週刊実話」1月23日号より一部内容を変更