ミラン、宿敵相手の劇的逆転勝利でスーペルコッパを制覇! 伊紙は「未知の精神的強さを引き出した」と就任直後の指揮官を称賛、控室ではイブラ節が炸裂!

 現地時間1月6日に行なわれたスーペルコッパ・イタリアーナの決勝で、ミランが3-2で宿敵インテルを下し、2016年以来通算8度目の優勝を飾っている。

 昨季のセリエAとコッパ・イタリアの上位2チームによるトーナメント方式を用いて争われたこのコンペティション、ミラン(セリエA2位)がユベントス(コッパ王者)、インテル(セリエA王者)がアタランタ(コッパ準優勝)をそれぞれ下したことで、中立地のサウジアラビア・リャドで「ミラノダービー」による決勝が実現した。

 今季のセリエAでは2-1で勝利を飾っていたミランだったが、前半終了間際にラウタロ・マルティネスの鋭い切り返しからのシュートを浴びてインテルに先制を許すと、後半2分にもロングパス一発でメフディ・タレミに抜け出されて早々と2点目を献上し、苦しい状況に追い込まれてしまう。

 しかし、5分後にゴール正面のFKをテオ・エルナンデズが決めて1点差に詰め寄ると、80分にクリスティアン・プリシックがテオの左からのクロスに素早く反応してゴール右隅に決めて同点。そしてアディショナルタイム3分にペナルティーエリア右に抜け出したラファエウ・レオンのクロスをタミー・アブラハムが詰めて勝ち越してみせた。
  劇的な逆転劇でダービー2連勝を飾った「ロッソネロ」にとっては、クラブ史上で50個目(セリエBや一部の古い大会での優勝を除く)のタイトルとなった。先月30日にパウロ・フォンセカ前監督の解任に伴って指揮権を受け継いだセルジオ・コンセイソンは、就任から1週間、2試合目にして早くも初戴冠の喜びを味わうこととなり、『MEDIASET』でのインタビューでは「戦術や指示をしっかり理解した上で実行した選手たちのおかげだ」と語っている。

 選手時代にはインテルのシモーネ・インザーギ監督とともにラツィオでスクデット獲得などに貢献した元ポルトガル代表MFの指揮官は、いきなりユベントス、インテルという難敵を続けて撃破した。すでに次なる戦いに目を向け、「我々はこれからの4か月間で、ミランが本来いるべきポジションに戻るための努力をする。現在の順位(セリエAで7位)ではいけない」と、巻き返しに向けての意気込みを示した。

 そして選手に対しては、「いまこのチームに所属する守備や中盤の選手たちは、さらに成長できると私は信じている。彼らは勇気を持たなければならない。偉大なミランに戻るためには、この意欲と勇気が必要だ」と指摘したが、なかでも同胞であるレオンには以下のように賛辞を贈るとともに、期待を寄せている。「レオンは天才的な選手だ。彼のことは、当然ながら以前からよく知っている。あと2、3のことを学べば、世界最高の選手になれるだろう。彼には全てが備わっている。これはお世辞で言っているのではなく、非常に多くの才能を彼は有している。それをチームのために活かせれば、さらに強くなるだろう。私が思うに、シーズン終了時には、彼は世界最高の選手のひとりになっているはずだ。それについて、全く疑いはない」

 これに対し、ここまで一貫性に欠けるパフォーマンスや物議を醸した振る舞いなどで批判を受けることの少なくなかったレオンは、試合出場が危ぶまれる中で50分からピッチに立ち、決勝点のアシストという重要な役割を果たしたことを「常に自分が貢献できると信じていた」と明かし、コンセイソン監督に対して「我々に必要なエネルギーを与えてくれた」と感謝した。

 一方、クラブのシニアアドバイザーを務めるレジェンドのズラタン・イブラヒモビッチは、2021-22シーズンにスクデットを獲得した時と同様、試合後のドレッシングルームで情熱的なスピーチを展開して選手を祝福し、「これがミランだ。我々はこのようなトロフィーのために戦うチームなのだ。ミランの歴史に名を刻みたいなら、タイトルを獲得しなければならない」と、クラブの誇りを強調している。
  スポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、「インテルにとって完璧な夜となるはずだったが、そこに負傷中のレオンが現われ、40分間でヒーローとなり、ミランに希望の火を灯した。一方、コンセイソン監督は就任わずか1週間で、ロッソネロから未知の精神的な強さを引き出した。その強さこそが、ユベントスでの逆転勝利の原動力となり、今回の勝利を生み出したのだ。また、『失われたチャンピオン』だったテオは突然復活してゴール、プリシックへのアシスト……このダービーは、何年も先まで語り継がれるだろう」と報じた。

 同時に、2点リードを守れずに敗れたセリエA王者に対しても言及し、「後半開始から間もなくの時点ではインザーギのチームに有利な状況にあったが、何かが崩れ、驚くべきことに流れは一気に悪化した、それは慢心によるものだったのだろうか? そのような印象はない。重要なのは、彼らがこの失望を払拭し、すぐに立て直すことだ。最初の目標達成には失敗したが、まだ4つの目標が残っている。ただ、このミランの歴史的な勝利を忘れるのは簡単なことではないだろう」と綴っている。

 インザーギ監督も、マルクス・テュラム(欠場)、ハカン・チャルハノール(35分で交代)の負傷という痛い問題があったとはいえ、「2-0で試合を終わらせるべきだった。我々は非常に痛い敗北を喫してイタリアに戻ることになる」と反省し、「ミランには賛辞を贈らなければならない。彼らは決して諦めなかった」と、かつての戦友が率いるライバルを潔く称えた。

構成●THE DIGEST編集部

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