泉朝樹によるホラーコメディ漫画を実写映画化した『見える子ちゃん』が2025年初夏に公開される。このたび、主人公を取り巻く学園の仲間たちを久間田琳加、なえなの、山下幸輝が演じることが明らかとなった。
【写真を見る】映画初出演のなえなのが霊感を持つ二暮堂ユリアを演じる / [c]2025『見える子ちゃん』製作委員会
泉がSNSで発表した第1話が大きな話題を呼び、2018年に「ComicWalker(現:カドコミ)」で連載が開始された「見える子ちゃん」。カドコミ、ニコニコ漫画、pixivコミックでの累計閲覧数は8,500万回を超え、国内累計発行部数は300万部を突破する人気作となっている。
突然見えるようになった霊に怯えながらも、それを無視し続ける高校生、四谷みこを、映画やドラマなど多方面で活躍し、現在ドラマシリーズ&映画「【推しの子】」に出演している原菜乃華。脚本、監督を担うのは、『予告犯』(15)、『忍びの国』(17)をはじめ多くのヒット作品を手掛ける中村義洋。『仄暗い水の底から』(02)、『残穢(ざんえ)―住んではいけない部屋―』(16)などでの恐怖表現に定評のある中村が、これまでのホラーとはまた一風変わった緊張感と青春映画としての爽やかさを併せ持つ新たなエンタテインメント作品に挑む。
霊を引き寄せる体質ながらその存在に気づかない天真爛漫な百合川ハナを演じる久間田琳加 / [c]2025『見える子ちゃん』製作委員会
そして今回、新たなキャストが解禁に。みこの親友、百合川ハナ役にモデル、俳優として活躍中の久間田琳加、二暮堂ユリア役にSNS総フォロワー700万人を超えるタレントのなえなの、さらに映画オリジナルキャラクターである権藤昭生役に話題作に多数出演中の俳優、山下幸輝と、いま最も目が離せない若手俳優たちが集結した。
『おとななじみ』(23)、『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』(23)、「私たちが恋する理由」などで主演を務め、ヒロイン役を務める『顔だけじゃ好きになりません』の公開が2025年3月に控える久間田。本作では、霊を引き寄せる体質ながらその存在に気づかない天真爛漫な百合川ハナを、持ち前の明るさで魅力的に演じている。「ホラーが大の苦手」という久間田だが「本当にホラー映画の撮影中!?というくらい明るい現場で、初のホラー作品も楽しみながら撮影できました」とコメント。撮影現場を見学した原作者の泉は久間田の演技について、「ハナの天真爛漫な明るさだけでなく、意外といろいろ考えている繊細な一面など、表情や演技を通して“ハナ感”を感じられて印象深かった」と振り返っている。
「ズームイン!!サタデー」にレギュラー出演するほか、「東京タワー」、「モンスター」にゲスト出演するなど、俳優としても活動の幅を広げているなえなのは今回が映画初出演。霊感を持つ謎めいたツンデレキャラの二暮堂ユリア役に挑んでおり、自身が演じるキャラクターについてなえなのは、「破天荒な子だけど、作品の中でどんどん成長していく」と分析し、「現場のみなさんに背中を押されながら私もこの作品を通して成長させていただいた」と語る。そんななえなのについて中村監督は、「実は裏では相当な努力をしているはず」とコメントし、難しいシーンも1発でこなしてしまう彼女に称賛を送っている。
映画オリジナルキャラクターである権藤昭生役で山下幸輝が出演する / [c]2025『見える子ちゃん』製作委員会
「君の花になる」で注目を集め、その後も「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」や1月19日(日)より放送スタートの「御上先生」など話題作に立て続けに出演する山下。本作では映画オリジナルキャラクターでミステリアスなオーラを纏う生徒会長、権藤昭生役として新たな魅力を発揮する。山下は「どれだけ魅力的なキャラクターにするか、監督に意見を頂きながら一緒に考えて」作り上げたと撮影を振り返り、原作者の泉は「みこやハナやユリアの新たな一面を引き出してくれるような役」と原作には登場しない昭生のキャラクターに期待のコメントを寄せた。
次々と現れる不気味な存在にハラハラしつつ、お化け屋敷のようなスリルとワクワク感を体験できる『見える子ちゃん』。続報にも期待してほしい。
■<コメント>
●久間田琳加(百合川ハナ役)
「百合川ハナを演じさせていただきます、久間田琳加です。私自身、実はホラーが大の苦手だったのですが…。監督もホラーが苦手だとお聞きして、ホッとしたことを覚えています。主人公のみこちゃんが霊が見えないフリをするといういままでになかった新しい設定と、私が演じたハナの、霊が取り憑くたびに食欲が増すというユニークなキャラクターで、怖いのに面白い、不思議な映画に出会いました!本当にホラー映画の撮影中!?というくらい明るい現場で、初のホラー作品も楽しみながら撮影できました。今年の夏は青春ホラーで、ドキッと怖いのに笑える体験をしていただけるとうれしいです!」
●なえなの(二暮堂ユリア役)
「二暮堂ユリア役を務めさせていただくなえなのです。はじめに脚本を読み感じた事は、なにコレ!オモシロイ!どうやって撮るんだろう!?ですね。個性の強いキャラクターたちのコミカルさとしっかり怖いホラー、そして青春。こんなにうまく混ざる物なのか!と衝撃を受けたのと同時に、これを実写で撮るってすごく難易度が高そう。と不安も感じました。演じさせていただいたユリアちゃんは破天荒な子だけど、作品の中でどんどん成長していくんです。そんなユリアちゃんや監督、現場のみなさんに背中を押されながら私もこの作品を通して成長させていただいたなと強く感じます。映画館がみなさんの笑いと恐怖の声が溢れているといいなぁ。私も完成が楽しみです。ぜひご覧になってください」
●山下幸輝(権藤昭生役)
「権藤昭生役を演じさせていただきました山下幸輝です。オファーをいただきどの原作のキャラクターなのか聞いたところまさかのオリジナルキャラクターでした(笑)。どれだけ魅力的なキャラクターにするか本読みと現場で監督に意見をいただきながら一緒に考えて昭生を作りあげて撮影は楽しくやらせていただきました。みこと昭生の絡みは特に注目して見て欲しいですし最後には昭生に、そして観ている方に驚きが待っています。お楽しみに!」
●泉朝樹(原作)
「ハナ役の久間田琳加さんは、撮影現場で初めてお会いした際とても落ち着いた印象で、笑顔がとても素敵な方だなと。ハナの天真爛漫な明るさだけでなく、意外といろいろ考えている繊細な一面など、表情や演技を通して“ハナ感”を感じられて印象深かったです。原作で垣間見えるハナの繊細な部分も、久間田さんならではの解釈で新たな形にしてくださるのが本当に楽しみです。スクリーンで生き生きとしたハナに会える日を心待ちにしています!ユリア役のなえなのさんは、とても独特な空気感を持っていて、ふわふわっとした印象が魅力的でした。ショッピングモールのシーンの合間に一人で買い物かごを持って自由にお買い物していて、『おお~ユリアが普通に買い物してる』と思ったのを覚えています。ユリアの生意気さや可愛らしさもなえなのさんの持つ空気感と合わさって魅力的なキャラになっているのではないかと思います。みこたちとの絡みも含めてとても楽しみにしています。昭生役の山下幸輝さんとは現場でご挨拶だけさせていただいたのですがとても気さくな方で、私の持参の台本に最初にサインをお願いさせていただいた時に端っこに小さくサインを書いていて(ほかのキャストさんが後で書きやすいように)とても謙虚な方だなという印象でした。昭生については原作には登場しない映画版のみのキャラですが、みこやハナやユリアの新たな一面を引き出してくれるような役だと思いますのでどうなるのか楽しみです」
●中村義洋(脚本、監督)
「久間田さん演じるハナという役は、とにかく霊にとり憑かれやすい『霊の大好物』という設定なので、そのハナをどうやって助けるか、というのが原さん演じる主人公の基本的なモチベーションであり、この映画のストーリーラインになりますから、とにかく心の底から『助けたい!』と思える人に演じてもらわないとなあ、と思っていたところ、撮影を終えたいま、もしも久間田さんになにか大変なことが起こったら、私も原さんも、そして全スタッフが全力で駆けつけることと思います。本当に久間田さんは、そういう人です。なえなのさんは、あんなにふわふわしていますが、バラしてしまうと、実は裏では相当な努力をしているはずです。そしてそれを現場でいっさい見せないという、私の大好きなタイプの俳優さんだと思いました。ユリアという役は霊媒師に憧れているので、呪術だの祈祷だのいろいろ覚えることが大変で、現場でも10テイク以上は覚悟していましたが、やばい!日が暮れる!という状況のなか、サラッと1発でこなしてしまうなえなのさんに『ありがとうーっ!』と駆け寄ったことも一度や二度ではありません。昭生役の山下さんは長セリフを涼しい顔で演じていただきましたが、ややナルシスティックに見える演技は私が『自分の芝居に酔っている昔の俳優の芝居』という注文をしたためで、決して山下さんが率先してやったものではありません、念のため。それと私、ダンスに疎いので、大変失礼ながら山下さんのダンススキルをあまり存じ上げておらず、ある日、立ち位置の修正をしたら、山下さんの上半身が全くブレずに横移動したので、ちょっとなにが起こったか分からず、『ホラーを撮ってるとこういうことも起こるよな』と心霊現象で片付けてしまいました。ごめんなさい」
文/平尾嘉浩