高校サッカー選手権は4強が出揃い、1月11日に国立競技場で行なわれる準決勝のカードは、東福岡vs.前橋育英、流経大柏vs.東海大相模だ。
優勝予想とともに注目を集めるのが、得点王争いだ。
直近3大会を振り返れば、21年度はFW鈴木章斗(阪南大高/現・湘南)が7得点でトップに立ち、22年はMF今井拓人(岡山学芸館/現・駒澤大)、MF真田蓮司(東山/現・関西大)、FW福田師王(神村学園/現・ボルシアMG)、FW山本颯大(前橋育英/現・神奈川大)、FW森重陽介(日大藤沢/現・シアノルテFC)の5人が3ゴールで並んで受賞となった。昨年度はFW米谷壮史(青森山田/現・東海大)、FW郡司璃来(市立船橋/現・清水)が5ゴールを挙げ、得点王に輝いた。
過去のトップスコアラーを振り返ると、いずれも3年生。そうした流れを踏まえて、今大会の状況を見ていくと、現在トップに立っているのは堀越のFW三鴨奏太だ。準々決勝で前橋育英に0-1で敗れたものの、松山北との3回戦では1試合4発と大暴れで5得点をマークしている。トップ下のポジションで豊富なゴールバリエーションを見せた10番はまだ2年生。18年度に2年生ながら5ゴールを奪ったFW染野唯月(尚志/現・東京V)以降、下級生で得点王になった選手はいない。三鴨が歴史に名を刻めるか。
ただ、堀越は敗退しており、最大で残り2試合を戦える4強チームにアドバンテージがある。そこで注目なのが、ともに2位タイの4ゴールを奪っている前橋育英のFWオノノジュ慶吏(3年)と流経大柏のFW山野春太(3年)だ。
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オノノジュは今季のU-18高円宮杯プレミアリーグEASTで10得点をマークし、トップスコアラーに輝いている。下級生の頃からレギュラーとして起用され、今シーズンに才能が開花。「ゴールを重ねるにつれて、ストライカーの責任が芽生えてきた」と背番号8が話した通り、自信を深めている。スピードを活かした裏抜けやパンチの効いた右足のシュートで勝利に導き、今大会も3戦4発。準々決勝の堀越戦では値千金の決勝点を奪い、勝負強さも示している。米子北との初戦(2-0)での負傷も癒えており、コンディションに問題はない。堅守が売りの東福岡が準決勝の相手となるが、“赤い壁”を破ってゴールが奪えるか。
山野は大会前に復活を遂げたラッキーボーイだ。昨季は怪我の影響で出場機会を得られていなかったが、今季は3月に戦線に復帰。しかし、主戦場はBチームが籍を置くプリンスリーグ関東2部。プレミアリーグでも出番を得たものの、5試合で無得点に終わっている。そうした状況を打破したのが、選手権予選後の昨年11月23日に開催されたプリンスリーグ関東2部の第17節・山梨学院戦。5-1大勝したチームにおいて、ハットトリックの活躍を見せる。これを契機にAチームでポジションを掴み、迎えた今大会はここまで3試合で4ゴール。持ち前の機動力と体幹の強さを武器にショートカウンターの仕上げ役を担い、流経大柏の攻撃陣を牽引している。
3ゴールを挙げている流経大柏のサイドハーフコンビ、和田哲平(3年)と亀田歩夢(3年/カターレ富山加入内定)も活躍次第ではチャンスがあるが、現状では上記で挙げた3人の争いになりそう。2年生10番が逃げ切るか。それとも伝統校の2人のストライカーが逆転を果たすのか。得点王争いからも目が離せない。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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