石破茂(C)週刊実話Web

【玉木代表の政権奪取1】

自民党にとって2025年は結党70年の節目の年だ。

記念すべき年ではあるのだが、崩壊の一途をたどることになりそうだ。

“ゲル”こと石破茂首相は夏の参院選に自らが先頭に立って臨む気満々だが、惨敗し退陣するとの見方は強い。

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その一方で立憲民主党は分裂し、国民民主党が立民の一部を吸収して野党第1党に躍り出た上で、夏の参院選に臨み躍進する――。

そんなシナリオもささやかれ始めているからだ。

岸田前首相は窮地の政権を尻目に上機嫌

「料亭政治をしよう」

岸田文雄前首相は昨年12月のとある日の夜、都内の料亭に岸田内閣の閣僚だった面々を集めて上機嫌に舌鼓を打った。

出席者の1人は「石破首相の辞任を前提に首相として再登板することに意欲的だと感じた」と語る。

宴席には「ポスト石破」の有力候補である高市早苗前経済安全保障担当相や林芳正官房長官も同席し、ハシャグ岸田氏を冷ややかな目で見ていたという。

石破首相が少数与党の下、国会運営で苦戦しているのとは対照的に、料亭での会食は大いに盛り上がった。

それは自民党が挙党態勢を構築できず、石破首相が孤立していることを印象付けた。

石破首相は昨年の臨時国会で、2024年度補正予算を成立させるために、日本維新の会と国民民主党を天秤にかけ、互いに牽制させ、補正予算への賛成を両党から得るという「離れ業」をやってのけた。

国民民主に対しては年収103万円を超えると所得税が生じる「103万円の壁」の引き上げ、維新には教育無償化に向けた与党との協議という「エサ」をぶら下げ、両党とも与党になびいたという構図である。

だが、1月24日召集予定の通常国会では、そう上手く運びそうにない。

全国紙政治部デスクがこう展望を明かす。

「国民民主は103万円の壁で何らかの成果を上げなければならず、補正予算に反対して与党と完全に決裂するわけにはいかなかった。補正予算には大阪・関西万博の費用も入っているため、維新はそもそも反対できなかった。通常国会で審議される2025年度予算案は参院選を控えているだけに、両党ともやすやすと賛成はできないはずです」

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通常国会も『政治とカネ』一色

予算案を成立させられなければ、石破内閣は退陣するしかないわけで、退陣する気がまるでない石破首相は、国民民主が求める103万円から178万円への引き上げを受け入れる可能性は高い。

ヤマ場は予算案が衆院を通過する時期にあたる2月下旬から3月上旬にかけてやってくる。

例え、予算案が年度内に成立したとしても、石破首相の下で自民が参院選で勝利する可能性はゼロに近い。

政治部記者がこう予想する。

「昨年の衆院選に続き、参院選でも与党は過半数割れするでしょう。立憲民主党は都議会自民党の裏金問題を追及するとともに、臨時国会で持ち越した企業・団体献金の廃止に向け攻勢を仕掛けます。通常国会も『政治とカネ』一色になるのは間違いありません。自民に勝ち目はありません」

同記者によると、「単に負けるというだけでなく、かなりの敗北を喫する可能性大」というのだから穏やかではない。

そのため、もはや自民党内では「参院選を石破首相で戦おうとは誰一人思っていない」(同)と言われているのだ。

【玉木代表の政権奪取2】へ続く

「週刊実話」1月23日号より