大阪府と大阪市は、大阪・関西万博の会場跡地について、民間から提案された開発計画のうちふたつを優秀提案に選定。この提案にはサーキットを建設する計画も含まれており、以前から話題に挙がっている大阪へのモータースポーツ誘致に向けて一歩前進することになった。
大阪の人工島である夢洲では、今年の4月から10月にかけて大阪・関西万博が開催される。開催終了後、敷地の一部にはカジノなどの統合リゾート(IR)が建設される予定で、2030年の開催が目指されている。そのIR用の区域に隣接する「夢洲第2期区域」のマスタープラン策定に向けた提案が、民間から募集されていたが、その1次募集の中からふたつの優秀提案が決定された。
この夢洲第2期区域は、大阪・関西万博のランドマークとも言える大屋根リングが設営されている、約50haの区画である。
この夢洲には、万博に合わせて地下鉄中央線が延伸。また北港テクノポート線や京阪中之島線、JR桜島線の延伸についても検討されている。これらが実現すれば、アクセスは至便である。
今回は開発計画について3件の提案があり、そのうち2件が優秀提案として選ばれた。
そのうち、大林組大阪本店が提案の代表企業となっている計画に、サーキットの建設計画が含まれている。まだそのコースレイアウトの全貌はわからないが、大屋根リングの曲線に沿うような形で長い高速コーナーが設けられる方向のようだ。
周囲にはホテルやショッピングモール、アミューズメント施設、大型アリーナも併設される予定だとれている。また提案の概要には「心揺さぶる本物の体験が、世界中の人々を惹き付け、感動をもたらし、周辺地域、関西、そして全国へ送り出す」との考え方がベースになっていると説明されている。
この提案に対する委員の「モータースポーツの実施にあわせて、大阪全体の関連産業への波及・育成効果を期待している」「サーキットについては、イベントでの活用を含め幅広く府民・市民の活用も可能とすることで、万博跡地のまちづくりとしてふさわしい計画とすることを期待する」という講評も併せて発表されている。
今回優秀提案として選ばれ2案を基に大阪府と大阪市は今年3月までにマスタープランを作成。その後2次募集が行なわれ、開発事業者が決定される予定だという。土地の引き渡しは2027年が予定されている。
大阪では民間を中心とするモータースポーツ招致計画が進められており、大阪観光局を中心として大阪モータースポーツ推進協議会を組織。その第一回会合が昨年の11月に開催された。
この誘致計画の存在が明らかになった当初は、F1誘致のみに焦点が当てられていた。しかしその後計画は拡大し、F1のみならず様々なモータースポーツイベントを開催することを目指す方向に軌道修正された。実際、推進協議会の委員には、スーパーフォーミュラを運営する日本レースプロモーションの近藤真彦会長らも名を連ねている。
この第一回会合の際、大阪観光局の理事長であり、モータースポーツ推進協議会の会長も務める溝畑宏氏は、大阪へのモータースポーツ誘致計画について、次のように語った。
「我々は大阪に、モータースポーツの聖地をしっかりと作っていきたい。その中に、F1を含めたモータースポーツの誘致という側面も入ってくる」
「モータースポーツの聖地をしっかり作っていかないと、誘致できたとしても上辺だけで終わってしまう。通年でモータースポーツを楽しんでいただけるような、そういうモノを作らないといけないと考えている」
この時溝畑会長は、サーキットの候補地については公道サーキットか常設サーキットかも含めて詳細は明かさなかったが、今回万博跡地へのサーキット建設計画が提案され、それが優秀提案として選定されたことで、その輪郭がひとつ見えてきたと言えよう。