「テスラ」「スペースX」のCEO、「X」の執行会長兼CTOを務め、その突飛な言動によって常に世界的な注目を集めているイーロン・マスク氏が、サッカー界でも一躍話題を集めることとなった。
【画像】ファン必見!世界で躍動する“イケメン&マッチョ”アスリートたちを完全網羅!
複数の現地メディアが報じたところによると、英国のラジオ局『TIMES RADIO』のインタビューに応じたマスク氏の父親エロールが、「あなたの息子はリバプールFCを買収したいと思っているか?」との問いに対し、「その件についてはコメントできない。値段が上がってしまうだろ?」と冗談をまじえながらも、「実際に買うということではないが、彼はその希望を抱いている」と応えたのだ。
「もちろん買いたいと思うだろう。誰だってそう思うだろう。私だってそうだ」とも語った父エロールは、「彼の祖母はリバプールで生まれた。我々にはリバプールに親戚がいて、幸運にもビートルズのメンバーと多くの交流を持つ機会にも恵まれた。彼らは、私の家族の何人かと親しい関係にあった。だから、我々はリバプールに愛着がある」と、その背景を明かしている。
英国の日刊紙『The Guardian』は、「『Forbes』誌によれば、昨年5月の時点でリバプールは世界で4番目となる推定価値43億ポンド(約8400億円)という評価を受けたというが、この額はマスク氏の総資産3430億ポンド(約67兆円)のわずか1%程度に過ぎない」としながらも、「2010年にリバプールをポートフォリオに加えたフェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)は、過去に外部からの投資を模索してきたが、本格的な売却が検討されたことはない」とも付け加えた。
同メディアは「FSGはクラブへの投資不足に関して、一部のファンから定期的に批判を受けている」と指摘しているが、『Daily Mail』紙はこの南アフリカ出身の世界一の富豪に対するレッズ・ファンのネガティブな反応として、「この買収を望む者はファンではない」「彼が買収すれば、最初に多くの選手を獲得し、最終的にクラブのアイデンティティを失わせる」「イーロン・マスクをリバプールから遠ざけてくれ」といったSNSの投稿を紹介している。 さてマスク氏といえば、大成功を収めた実業家・起業家というだけでなく、今後はアメリカ合衆国の政府効率化省で共同議長に就任し、政治の世界でも強い影響力を放つことになる人物でもある。そしてこの53歳を登用したのが、2度目の大統領返り咲きを果たしたドナルド・トランプ氏だ。
世界にどのような影響力を発揮していくかが注目される78歳の次期大統領だが、彼が選挙を勝ち抜いた昨年11月に『The Guardian』紙は、2025年にクラブワールドカップ、翌年に男子ワールドカップ(カナダ、メキシコとの共催)、さらには2028年にロサンゼルスでの夏季オリンピックというビッグイベントを立て続けに開催するアメリカにおいて、その期間に国家元首を務める人物がいかなる影響を与えるのかという懸念を示している。
同メディアは、「次期大統領が示すトーンや政策が、問題を引き起こす可能性がある。なぜなら、彼は対立を生み出す人物であり、スポーツでも分断を煽り、ライバルを攻撃する道具として利用してきたからだ。また現在、多くのリーグや統括団体が掲げている進歩的かつ国際主義的な価値観とは相反する、保守的で排外的な信念を持つ政治家でもある」と指摘する。
「たとえこれらの大会期間中において、一時的に制限が緩和されたとしても、国境での混乱、対外政策の攻撃的かつ孤立主義的な姿勢、そして彼の提案する貿易関税による経済的な圧力が、同盟国との関係を悪化させ、訪問者を遠ざけ、アメリカの国際的なイメージを損なう可能性がある。これは、国際スポーツの最大の祭典に相応しい祝祭的な雰囲気を作り出すものとは言えないだろう」
この2つの報道は全く性質の異なるものだが、向こう4年間で世界を動かしていくことになる重要人物2人が、いかにしてサッカー界と関わり、影響力を発揮するのか、少なからず気になるところである。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】PL20節 ブライトン対アーセナル ハイライト
【記事】「我々は脆弱だ」指揮官ペップも嘆く公式戦6戦未勝利のマンC…現地メディアは守備の脆さを指摘「どんな覇権も永遠には続かない」
【記事】クラブの財務違反疑惑、長年タッグを組んできたSDの退団、公式戦5連敗中のチーム…このような状況でなぜ名将グアルディオラはシティとの契約を延長したのか?