擬人化しているからこその楽しみ方を!
「一歩己」を演じられた西山さんはいかがですか?
西山:
僕は「一歩己」が大好きになったんですけど、それこそ「一歩己」も大吟醸と普通のと、またほかにも違うのがあったりして、やっぱり全然味が違っていて。僕は大吟醸がすごく好きなので、大吟醸から飲んでいます。正直「一歩己」は誰が飲んでも飲みやすくておいしいですよ、っていう感じじゃないんです。ちょっとズッシリ感があって、最後ちょっと喉に苦味が残るお酒です。それは、お米の特徴を活かしたまま作ってるからなんです。
ただおいしいだけじゃないんですね
西山:
造られた矢内さんがおっしゃっていたんですけど、最初は甘いお酒を作ろうとしていたんです。だけど、甘みじゃなくて苦味が残ってもいいんじゃないかって苦味を残されたらしくて。確かに、そう言われてからですけど、飲んでみるとその苦味がおいしくて。そこからほかのを飲むとまた全然違うし。打ち上げのときにプロデューサーさんがそれぞれの日本酒を6本持ってきていただいて飲んだんですけど「俺は、一歩己だな」って思いました(笑)。
大倉さんはいかがですか?
大倉:
「加茂錦」は多分作品に出てる荷札酒っていうのが「月白(げっぱく)」というラベルなんですけど。荷札酒も調べていくとけっこうラベルに種類があるんです。僕、それを知ってからその「月白」ともうひとつ普通の「加茂錦」を飲んだんです。そしたら「月白」がパインっぽく、そして普通の「加茂錦」は僕的にはメロン風味が強くて。こんなにも日本酒って味が変わってくるんだっていうのをすごく感じました。
同じ銘柄でも全然違うんですね!
大倉:
それこそ大吟醸とかの違いもそうですけど、精米歩合とか、細かい違いでこんなにも味が変わる、日本酒ってすごいなというのをすごく感じて。今回、この作品ではいろんな日本酒についての説明があるんです。なので日本酒を飲んだことが無い方もこのドラマを見て頂けると知識を深めることができますし、どんどん興味も湧いてくると思います。せっかく擬人化してるので、「赤武の肉体いいわ〜」と思ったら、ぜひ「赤武」とか飲んでいただいたり、「あら一歩己、いいたたずまいだな」と思ったら「一歩己」を飲んでいただいたり、そういう新たな日本酒の選び方も楽しんでほしいです。
西山:
せっかく擬人化してるからね。
大倉:
そう、せっかく擬人化してるから、そういうので選んでいただいてもいいかなと思いますね。
「伝統的酒造り」が無形文化遺産に登録されるなど、注目を集める日本酒を題材にした読売テレビの新ドラマ『あらばしり』。皆さんが演じる、擬人化された日本酒がどういうキャラなのか、楽しみが尽きません。
写真/しばたみのり 文/國友 敬