まだ3年目? もう3年目? 横浜FCの中村俊輔コーチは謙虚な姿勢で言い訳にもしない。指導者として「結果を出さないと」

 2024年はS級コーチ養成講習会でチームを離れる時期があった。J1昇格を目ざしていた横浜FCで、中村俊輔コーチは自身の不在を「申し訳なかった」と何度も口にしていた。

 今年は“がっつり”チームを見ることができる。「全うしたい。去年もしていたけど、より時間が増えるし、もっと何ができるかっていうのを」。

 コロナ禍で「降格なし」が適用された2020シーズンを除いて、横浜FCはJ1に残留したことがない。過去3度、1年でJ2に降格。今度こそ“J1残留”を果たしたい。俊輔もそれを承知のうえで、「プラス、チームに自信を持たせて、粘り強く、どれだけ戦えるか」に専心。「それから逆算して、練習で落とし込んで、自分も成長していきたい」と力をこめる。

 横浜FCのコーチとして、1人の指導者として。貪欲さは相変わらずだ。

「いろんなこと、他のことも視野に入れていく。両方だね。チームでやるべきことはもちろん、(指導者として)もっと成長しないと。視野を広くして、いろんなことに耳を傾けながら、やっていく」
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 少なからずスタッフ陣の入れ替えがあったなかで、「いろんな人から学べる」と言う俊輔は、「まだ俺、3年目だから」と謙虚な姿勢で指導にあたるが、だからといってそのキャリアを言い訳にするつもりはない。

「選手で考えても、何年目だからとかないと思うし。それと一緒。(コーチとして)結果を出さないと。そのために、考えて、他の人を見て、いろいろ聞く」

 そこに、これまでの蓄積を重ね合わせる。「自分の経験を融合させて、良いものを出す。経験は活かさないと。持っているだけじゃ意味がないから」と話す46歳が、就任4年目の四方田修平監督の“右腕”として、J1残留を期す横浜FCを下支えする。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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