〈ニチガク破綻〉少子化が原因じゃなかった!社長交代は社内でも極秘におこなわれ、前経営者はトンズラ…経営破綻“本当の理由”とは

A氏、B氏の自宅を訪れると…  

実際、C氏の社長就任のころから会社の資金繰りはさらに悪化したようだ。同社関係者は、「実は会社では給与の遅配がかなり前から“制度化”されていました。アルバイトさんらの契約条件は最初からバイト代は2か月遅れで支払うとなっており、社員や講師への遅配も当たり前。そんな中で去年の秋からさらに支払いが滞るようになったんです」と話し、続けた。

「12月の給与受け取り予定日だった10日の直前に、『30日になったら融資を受けて支払うことができるのでその日まで待ってください』という内容のLINEが社員らに届いたんです。そして年末まで、今から考えれば登記簿上の社長でなかったB氏はいつもの通り出勤して社長業務をしていたんです。

けれども30日になっても給与は支払われず、そのまま冬休みに入り、年が明けて最初に館内に入れる1月4日朝に経営破綻を知らせる紙が校舎前に貼り出されていたんです」

この破綻劇に別の予備校経営者は「生徒のことを考えるなら、経営が悪化すればまず募集を止めた上で1年程度先に講義を終えると予告するのが筋でしょう。こんな時期に突然放り出すなんて信じられない」「報道でいわれているような少子化が原因で潰れたのと訳が違う」 と憤る。

経営悪化の先に、塾生のことを考えた処理はなぜ行われなかったのか。都心部の家賃40万円前後とみられる高級マンションに暮らすA氏と、競輪好きのため車券売り場の近所を選んだと社内でみられていた横浜市内のマンションに住むB氏を訪ねたが、いずれもインターフォンに反応がなく、電話も出なかった。

予備校業界関係者は「A氏もB氏も、今はそれぞれ別の予備校が面倒を見ているという話が聞こえてきます」と話す。最後の社長となったC氏は都内で住む集合住宅に帰宅しなくなった。責任者は誰も、塾生に説明や謝罪をしようとしていない。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班