帰省先でのホームパーティや同窓会など、年末年始は普段とは違った人たちと過ごすことが多く、食事が楽しくなります。会話が弾むと食欲も増して、つい食べ過ぎてしまうこともありますね。そこでこの時期、妊婦さんが気を付けるべき食事の管理について、産婦人科医の三井真理先生にお伺いしました。

生ハム、ローストビーフ……、生のものは食べない！

Q.人が集まることが多いこの時期。出先での食事で気を付けることはありますか？

いくつかありますが、お刺身やカキなど生の食べ物を食べないこと。また、生ハムやサラミなど動物性の火が入っていない生ものもNG。この時期、気づかずに食べてしまいがちなのが、「ローストビーフ」です。新年会などお祝いの席でよく出されるメニューのひとつなので、しっかり頭に入れておいてくださいね。きちんと加熱してあるものなら、食べていけないものは特にありません。

食べ過ぎてしまったら、どうすればいい？

Q.楽しい席でつい食べ過ぎてしまった場合の対処法は？

久しぶりに顔を合わせる親戚や友人と一緒に食事をすれば、話も弾んでつい食べ過ぎてしまうことはあります。だからと言って、無理にダイエットをしたり、下剤を飲むような必要はまったくありません。食べ過ぎたことを反省しているんですから、次の食事から調整すればいいですよ。

お腹の中の赤ちゃんを守れるのは自分

Q.休みを利用して実家へ帰る場合、気を付けることは？

実家にいると、“お腹に赤ちゃんがいるのだから、あれもこれも食べなさい”と次から次へと食事が出てくることがありますが、必要以上に食べる必要はまったくありません。たとえ親戚やご家族にすすめられても、普段自分が管理している食事の分量をしっかり守ることを続けてください。お腹の中の赤ちゃんを守れるのは自分自身。周りの雰囲気に流されてないようにすることが大切です。

急激に太ることで、出産へのリスクも

Q.食べ過ぎてしまいがちなこの時期を乗り切るには？

楽しい席なので、つい食べてしまう気持ちもわかりますが、これは本当に自分との闘い。急激に太ってしまうと妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などのリスクも増えてしまいます。日頃から自分の体重管理をすること、食べたものを記録しておくといいでしょう。元気な赤ちゃんを産むためにも、食事には気を付けてくださいね！

教えてくれたのは…三井真理先生
（国立研究開発法人　国立成育医療研究センター　周産期・母性診療センター 不育診療科　診療部長　女性の健康総合センター） 

Profile
日本大学大学院医学研究科博士課程修了。医学博士。日本周産期・新生児医学会認定 周産期（母体・胎児）専門医・指導医。日本産婦人科学会認定　産婦人科専門医・指導医。