赤楚衛二と上白石萌歌が最高な純愛映画『366』…ただ、ちょっと辛口でツッコミいれさせてください!

【最新公開シネマ批評】

映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、本音レビューをします。

2025年、お初のレビューです! 今年もおもしろい映画をたくさんご紹介していきますので、よろしくお願いします!

今回ご紹介する映画は『366日』(2025年1月10日公開)です。沖縄出身のバンド、HYの代表曲『366日』をモチーフにした物語。同じくHYの『366日』をモチーフにしたドラマ『366日』(フジテレビ)もありましたが、本作はドラマの映画化ではなくオリジナル映画です!

試写で見せていただきましたので、本音でご紹介したいと思います。

【物語】

2024年の東京。音楽出版社に勤務する湊(赤楚衛二さん)の元に、中学生の女の子がMDを届けに来ました。それには15年前に別れた美海(上白石萌歌さん)からのメッセージがありました。

遡ること15年前ーーー。

沖縄の高校で出会った湊と美海は次第に惹かれあい、お付き合いするようになります。やがて湊は上京して音楽業界で働くように。数年後、美海も上京して通訳を目指します。幸せな日々を送っていましたが、ある日突然、美海は湊から「もう好きじゃない」と別れを告げられてしまうのです。

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【主演のふたりが輝いている作品】

心のど真ん中を目がけた直球ラブストーリーで、何より主演の赤楚衛二さんと上白石萌歌さんがすごく良かったです。1ミリの汚れもない美しい心を持った湊と美海の役がこれ以上似合う俳優はいなかったのではないでしょうか?

高校生のときから、一途に湊を思い続ける美海。彼女には幼馴染の琉晴(りゅうせい/中島裕翔さん)がいますが、湊先輩を呼ぶときの声と琉晴を呼ぶときの声のトーンが明らかに違うんですよ。

琉晴には「あ、琉晴いたのね」的な友だち以上じゃないんだな、というフツーの対応に対して、湊を呼ぶ弾けるような「湊先輩!」の声だけで「ああ、好きなんだなあ」というのが伝わってくるんです。

上白石萌歌さんの爽やかさと可愛さが美海をより魅力的にしていましたよ。

いっぽう、湊は家族に不幸があり、ふさぎ込んでいましたが、美海と仲良くなっていくに従って笑顔が見られるように。彼の心の扉が少しずつ開いていく様子が赤楚さんのお芝居によって伝わってきました。湊が美海を意識し始める感じとか、初恋のようなピュアさがあって良かったです。