テニス競技はメンタルによって大きく結果が左右されるスポーツです。しかし、メンタルを強化したいけれど「なんか大変そうだ」と敬遠している人はいないでしょうか。
本シリーズでは一般プレーヤーに向けて、伊達公子氏や浅越しのぶ氏といった日本テニス界をけん引したトップ選手の指導経験を持つメンタルアドバイザー椙棟紀男氏に、簡単に身に付くメンタルの強化方法を伝授してもらいます。
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私たちはこの世に生を受け、たくさんの人たちにお世話になってきました。誕生から現在まで、自分の意思だけに限らず色んな形の出会いがありました。小さい頃、仲のいい友達がサッカーをやっていたから、塾に通っていたからという理由で、同じ事をやり始めた経験はありませんか? そのような経験を経て、現在の自分がいるわけです。
私自身コミュニケーションとは、①約束を守る、②行間を読む、と考えています。
まず①の約束について。人と交わした約束を守るのは当然のことですが、大事なのは自分との約束を守ることです。「サービスを強くするために腹筋と背筋のバランスを考えⅤ字腹筋を毎日100回やる」と決めたとします。しかしこれがなかなか難しいのです。
そこで登場するのが第6回で話した「鬼コーチの存在」です。頑張りと自己成長は比例の関係にあります。自分ともう1人の自分とのコミュニケーションです。
次に②の行間について。行間を読むとは、文章には直接表現されていないけれど筆者の真意をくみ取ることをいいます。文章だけでなく会話もその中に含まれると思います。私事ですが、最近コミュニケーション不足で大切な友人との関係が一時的にストップしました。原因は「相手が何を求めているか?」という本質を察知することができなかったからです。そして受け止める感情にもズレがありました。
この一件で「正確な言葉で伝えること」「素早く行動を起こすこと」の大切さを学びました。考えてみるとコミュニケーションには、育て上げるコミュニケーションと、守り続けるコミュニケーションの2つがあると思います。
最後に、良好な人間関係には「目配り、気配り、言葉配り」が欠かせません。人や物とのコミュニケーションは、生きていく上でとても大切なものです。特に人間関係が良好な時は、何をしていても楽しく感じられます。「出会った」という偶然を必然と考え、人生に彩りを付けたいものです。
構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2022年10月号から抜粋・再編集
【画像】強靭なメンタルを持つトッププロたちの練習の様子
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