幕張メッセでF1マシンが走った! 佐藤琢磨、ホンダ・RA272のデモラン感激&マクラーレンMP4/5の快音響く

 2025年1月10日に開幕した東京オートサロン2025では、ホンダのF1マシンを会場で走行させる催しが行なわれた。多くのファンが詰めかけ、往年の名機の美しいエンジンサウンドと迫力ある走りを堪能した。

 カスタムカーの祭典であるオートサロンだが、近年はモータースポーツ関連の発表なども多く行われる場となり、様々な自動車ファンによって大いに賑わっている。

 2025年のイベントでは、ホンダのF1参戦60周年と、モータースポーツ紙のオートスポーツの60周年を記念してのF1デモランが行なわれた。

 このイベントには60年前の1965年に記念すべきF1初優勝を遂げたHonda RA272と、1989年に2冠を達成したマクラーレン・ホンダMP4/5が用意された。MP4/5はエンジン始動イベントが行なわれ、そして元F1ドライバーで2度のインディ500勝者である佐藤琢磨がRA272のステアリングを握り、幕張メッセの屋外イベント会場と敷地内の通路を利用したコースのデモランが行なわれるというものだった。

 どちらも動態保存された貴重なF1マシンだが、佐藤はMP4/5に搭載されたV10エンジンの音を「これより美しい音色を奏でられるエンジンってないですよね」と表現。エンジン始動のパフォーマンスの期待を煽った。

 実際にMP4/5のエンジンが始動されると、会場にはV10エンジンの甲高いエキゾーストノートが響き渡った。さらに佐藤がマシンに乗り込むと、スロットルを踏み込みさらに快音を会場中に届けた。

 MP4/5から降りた佐藤は開口一番に「やばい、泣きそうだ」とコメント。インディ500勝者が、官能的とすら言えるV10エンジンに感無量といった様子を見せた。

 そしてメインディッシュのRA272のデモランにいよいよ挑んだ佐藤。『10回やって10回かかるとは限らない』というエンジンは、一発で始動しV12エンジンの快音を轟かせて“東京オートサロンストリートサーキット”を駆けた。

「めちゃくちゃ楽しかった」とRA272を降りた佐藤は少年のような笑顔で語った。

「レスポンスが今のレーシングカーよりも良いですね。(跳ねの状態は)真っ直ぐ走らない(笑)。これでグランプリを走っていたと思うと、過去のドライバーへのリスペクトが200%になりますね」

 佐藤は南通路ではギアを4速まで入れ、時速200kmほどは出ていたのではないかという。「頑張れば5速も行けたけれど、ちょっと怖かった(笑)」と佐藤は語っている。

 佐藤ら出演陣からは早くも次回のデモランを是非、とホンダへの要望が口にされつつ、イベントは終了。大迫力のF1マシンのエンジン始動とデモランに、集まったオートサロン参加者も大満足といった様子だった。