【意外な事実】おやつカルパスの「ヤガイ」は、外食事業で牛たん焼専門店をやっている

大手企業が主力事業とは別に飲食店を展開している場合がある。たとえばあずきバーの「井村屋」は、スイーツ事業として「アンナミラーズ」を運営していることはあまりに有名だ。

同様に「おやつカルパス」の株式会社ヤガイは、外食事業として「牛たん焼専門店 杜の都太助」を展開しているのである。ヤガイのやってる牛たん焼き、その存在を知らない人は、割と多いんじゃないかな?

・実は歴史が長い

昨年末、おやつカルパスの福袋を購入した際に、ヤガイの公式ページで事業内容を確認した。すると、加工食品製造業・食品卸売業についで、外食事業の牛たん焼専門店が挙がっていたのである。

1974年設立の同社は、1988年に外食事業部を立ち上げ、牛たん焼元祖「味・太助分店」を東京都中央区日本橋茅場町に開業(現在は閉店)。のちに「杜の都太助」を虎ノ門(2002年)と汐留(2003年)にオープンし、それからさらに20年を経た2021年に有楽町に出店しているのだ。

ちなみに「杜の都太助」は、仙台で最初の牛たん焼専門店と言われる「旨味 太助」より暖簾分けをしたお店とのこと。

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・こだわりのハンバーグ

カルパスの会社の飲食店の実態を知りたい。そう思い、もっとも新しい有楽町店にやってきた。お店は交通会館の地下1階にある。

この建物には各地のアンテナショップが多数出店しており、各地の郷土料理を楽しむことができる。牛たん焼のお店が、それらの仲間に加わるのは必然だったかもしれないな。

メニューを見てみると、お昼のお品書きには「牛たん焼」「牛たんシチュー」とデカデカと書かれている。もう字面が美味そうだな。でも、少々値が張りますなあ。さすが本場の味を継承するだけある。

牛たん食いてえ! と思ったけど、もう少しリーズナブルなメニューにしておきましょう。シチューハンバーグとカレーは手頃な価格だな。

「平日ランチ数量限定」という言葉に惹かれて、北海道白老(しらおい)産和牛入りの「あつあつシチューハンバーグセット」(税込1380円)を頼んでみた。シチューハンバーグとサラダ、テールスープ、それから麦めしがついている。麦めしはなんとおかわり無料! やったね!!

「あつあつ」と書いてあったけど実物はそうじゃない、「グツグツ」と煮えたぎっている。最近震えるような寒さが続いているから、こういうの有難いね。お腹の中から温まりそうだ。

シチューそのものは旨味が強くコクが深くて、ひと口すすっただけでため息が出てしまうような美味さだ。これに分厚い牛たんが入っていたらと想像すると、その美味さはもっと上だったのかも!? そう考えると、やはりたんシチューにすべきだったか? 次の楽しみにとっておこう。

白老和牛は但馬(たじま)牛の血統をひいており、赤身の旨味が際立つことが特徴とされる。ハンバーグを食べてみると、とても肉感が強くて肉質もかなりしっかりしている。コク深いシチューと旨味の強いハンバーグのマリーアージュ。おやつカルパスを作る会社の外食部門とは思えないほど、力強い味だ。

正直いうと、麦めしは牛たんとの相性が良いと思うけど、ハンバーグの相方としては少々力不足かなあ。美味しいんだけど、もうひと味欲しくなってしまった。逆にいえば、それだけハンバーグが美味いということだ。

というわけで、カルパスのヤガイは牛たんのヤガイでもあった。都内でも本場の味を楽しめる貴重なお店、機会があれば1度ご賞味あれ。