いよいよ1月15日(水)に最終話となる「スター・ウォーズ」の最新ドラマシリーズ「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」(ディズニープラスで独占配信中)。平穏で裕福な生活が約束された惑星アト・アティン。そこに暮らしながら、平和で退屈な日常から離れて冒険をしたいと考えていた少年少女たちが、惑星の森林地帯に隠されていた古い宇宙船と壊れかけたドロイドを見つけたことで宇宙海賊の財宝に絡む銀河をまたにかけた宇宙旅行を体験し、故郷へと帰るための冒険の旅を描く。
「スター・ウォーズ」シリーズと言えば、多くの作品でドロイドとの出会いが新たな冒険のきっかけとなる。本作においても、SM-33というドロイドと少年少女たちが接触したことが物語の発端となっており、これまでの「スター・ウォーズ」シリーズらしさをしっかりと継承しているのがポイントだと言えるだろう。そこで今回は、これまでの「スター・ウォーズ」シリーズに登場して印象に残ったドロイドたちをまとめて紹介。作品の顔となっているおなじみのドロイドから、ちょっとマニアックなものまでチェックしていこう。
■「スター・ウォーズ」の“顔”となるドロイドたちの活躍をプレイバック!
●SM-33
登場作品:「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」
性格は荒っぽいが、頼れる海賊ドロイドのSM-33 / [c]2025 Lucasfilm Ltd.
「スケルトン・クルー」において、物語の中心となるウィム、ニール、ファーン、KBがアト・アティンで発見した海賊船オニックス・シンダーを起動した際に目を覚ましたドロイド。以前は悪名高い宇宙海賊のタック・レノッド船長に仕えており、片足が義足風の形状で、片目が壊れているというスタイルはまさに海賊を思わせる。壊れた片目にはビルジ・ラットのスノーボールが棲み着いており、口調も海賊の手下らしい荒っぽい雰囲気。旧式ながら海賊のサポートをする能力を持っており、宇宙船の操縦が可能で、高い戦闘能力を持っている。
片目に棲み着いているスノーボール / [c]2025 Lucasfilm Ltd.
オニックス・シンダーの船長に忠実であり、海賊の掟を守るようプログラムされている。そのため、新たな船長となったファーンの命令に従う。うっかりオニックス・シンダーを動かして故郷から遠く離れてしまった子どもたちが故郷に帰る手伝いをすることになる。単なる道先案内人ではなく、記憶装置に大きな秘密を抱えており、物語を引っ張る重要な役目も担っている。
●R2-D2
登場作品:『スター・ウォーズ/新たなる希望(エピソード4)』ほか
R2-D2にメッセージを託すレイア姫(『スター・ウォーズ/新たなる希望(エピソード4)』) / [c]2025 Lucasfilm Ltd.
「スター・ウォーズ」の顔とも言える整備用のアストロメク・ドロイド。原点である『スター・ウォーズ/新たなる希望(エピソード4)』(77)では、レイア姫が砂の惑星タトゥイーンに隠遁しているジェダイのオビ=ワン・ケノービへの救援メッセージをR2-D2に託し、それをルーク・スカイウォーカーが見つけたことからすべての物語がはじまることとなった。
ルークと共に戦闘にも参加!(『スター・ウォーズ/新たなる希望(エピソード4)』) / [c]2025 Lucasfilm Ltd.
『スター・ウォーズ/ファントム・メナス(エピソード1)』(99)において惑星ナブーの王室専用機オペレーションをするドロイドであった過去が明かされ、通商連合と惑星ナブーによる戦いでは幼いアナキン・スカイウォーカーと共に戦ったことをきっかけに、彼の相棒として活躍。『エピソード4』でルークと出会った後には、彼の操縦するXウイング・スターファイターのオペレーションを担当し、共に最後まで戦い抜いた。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒(エピソード7)』(15)にも登場し。飛行能力や修理能力などを備えた万能タイプで、時には戦闘にも加わることも。電子音で話すため、言葉の内容はわからないが、親友のC-3POによるとかなり荒っぽい性格で、口も悪いらしい。
●C-3PO
登場作品:『スター・ウォーズ/新たなる希望(エピソード4)』ほか
アナキン・スカイウォーカーが作ったドロイド、C-3PO(『スター・ウォーズ/帝国の逆襲(エピソード5)』) / [c]2025 Lucasfilm Ltd.
R2-D2と並んで「スター・ウォーズ」の顔とも呼べる存在のプロトコル・ドロイド。様々な星の知的生命体とコミュニケーションを取るために設計されたドロイドで、エチケットと式典でのサポートをプログラムされ、銀河で使われる600万を越える言語に精通している。『エピソード4』の冒頭で、レイアからの任務を託されたR2-D2と共に脱出ポッドに乗り込み、惑星タトウィーンに降り立った。『エピソード1』でアナキンによって組み立てられ、アナキンやパドメ・アミダラと共にクローン戦争に関わることに。ボヤキや愚痴をこぼすことが多い悲観的な性格で、口調は慇懃無礼。戦闘能力は皆無ながら、巻き込まれて破損することも多い。R2-D2とはケンカ友だちとして、長きにわたって行動を共にしていた。
●BB-8
登場作品:『スター・ウォーズ/フォースの覚醒(エピソード7)』ほか
シークエル・トリロジーより登場したBB-8(『スター・ウォーズ/フォースの覚醒(エピソード7))』) / [c]2025 Lucasfilm Ltd.
『エピソード7』に登場してその愛らしい姿から大人気となったBB-8もエピソードの“はじまり”を担ったドロイドだ。レジスタンスのパイロットであるポー・ダメロンに忠実なアストロメク・ドロイド。ルークの居所を記した地図を託されファースト・オーダーの奇襲から逃れ、惑星ジャクーでレイとフィンに出会ったことがきっかけで物語は大きく動きはじめる。ボール型のボディを回転させて移動することが可能で、ボディの表面にはディスクを交換することで様々な機能を変更、アップグレードすることができる。ちょっと臆病な性格だが、勇敢な面も持ち合わせており自ら危険な状況に飛び込んでレイたちの行動をサポートすることも多かった。
●D-O
登場作品:『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(エピソード9)』
D-O(右)はBB-8(左)と行動を共にする(『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(エピソード9))』) / [c]2025 Lucasfilm Ltd.
『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(エピソード9)』に登場したBB-8の親友的な存在となるカスタム仕様のドロイドD-O。もともとはパルパティーンに仕えていた暗殺者のデータ保管用として使われていたが打ち捨てられ、レジスタンスのメンバーがシスの隠された惑星であるエクセゴルを発見する手掛かりを探すなかで機能停止しているところをBB-8によって再起動された。彼が持っていたエクセゴルについての情報は大いに役立ち、ファイナル・オーダーと戦うレジスタンスの勝利に貢献した。コーン状の頭部と車輪状の胴体というシンプルな構造で、好奇心旺盛な性格。ドロイドと一緒にいることが好きなようで、特に好んでBB-8と行動を共にしていた。
■家族のような絆まで…ドロイドたちが歩む波瀾万丈な人生
●K-2SO
登場作品:『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』
もともとは帝国軍が開発したドロイドだったK-2SO(『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』) / [c]2025 Lucasfilm Ltd.
シリーズで主人公たちと絡むドロイドの多くは非戦闘タイプだったが、戦いのなかで頼れる仲間として活躍するタイプも登場するようになる。『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16)に登場したK-2SOはその代表的な存在だと言えるだろう。キャシアン・アンドーと行動を共にする形で登場したK-2SOは、元々は帝国軍に配備されていた監視や警備用のエンフォーサー・ドロイド。銀河帝国が法律上バトル・ドロイドの製造を禁止しているために、「警備用」となっているが実質的にはバトル・ドロイドであり、戦闘能力は高い。
K-2SOはキャシアンがそのドロイドのうちの1体のデータをフォーマットし、再プログラムして仲間として行動を共にしている。肩には帝国軍のマークが残されており、敵を欺くのにも重宝した。カーボプラスト合金製の堅牢なボディを持ち、惑星スカリフでの最終決戦では多数のストームトルーパーを相手に戦い、手に入れたデス・スター設計図の保管庫の場所を伝える活躍を見せた。再プログラムの影響からか、性格は独善的で自信家。デリカシーのない発言などが目立つ雰囲気となっていた。
●L3-37
登場作品:『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』
女性型ドロイドで、ランドの副操縦士L3-37(『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』) / [c]2025 Lucasfilm Ltd.
シリーズでは個性豊かなドロイドが多数登場するが、そのなかでも自己主張の強いタイプとしては、L3-37が挙げられるだろう。『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(18)に登場し、ランド・カルリジアンが所有していたころのミレニアム・ファルコンの一等航海士を務めた。女性プログラムとして創りだされ、制御ボルトから解放されたのをきっかけに自らを改造して二足歩行型の身体を手に入れ、さらに宇宙船のパイロットとして必要な航行データや操縦に関する知識を手に入れたという変わり種。
ドロイドながら独立心が強く、自由こそが究極の目的であるという感覚を持っている。銀河随一のナビゲーションデータベースを備えている。ランドやハン・ソロ、チューバッカらと惑星ケッセルでコアクシウム強奪作戦の手助けをするが、スパイス鉱山で奴隷として働かされるドロイドたちを解放しようとしてボディは破壊されてしまう。しかし、残されたデータはミレニアム・ファルコンのコンピュータに繋がれ、その一部として生き続けることになる。
●IG-11
登場作品:「マンダロリアン」
グローグーを抹殺する指令を受けていた賞金稼ぎのドロイド、IG-11(「マンダロリアン」) / [c]2025 Lucasfilm Ltd.
シリーズで最も波乱に満ちたドロイドと言えば「マンダロリアン」シリーズに登場したIG-11だろう。IGシリーズと言われるドロイドは、ボディガードや暗殺用として作られている。『スター・ウォーズ/帝国の逆襲(エピソード5)』(80)に登場した賞金稼ぎドロイドはIG-88と呼ばれていた。IG-11も同型のタイプで、賞金稼ぎギルドに従うようにプログラムされており、標的である子ども(グローグー)を殺害することを目的としていた。当初はグローグーを捜すという点では目的を一緒にしていたマンドーことディン・ジャリンと共闘。しかし、生け捕りにしようとするマンドーと殺害をしようとするIG-11は最終目的が違い、マンドーによって破壊されてしまう。
【写真を見る】賞金稼ぎが子守ドロイドとしてまさかの復活をしたIG-11(「マンダロリアン」) / [c]2025 Lucasfilm Ltd.
その後、アグノートのクイールの手で子守ロボットとして復活し、帝国残党からグローグーを守るために活躍。さらに、追い詰められたマンドーたちを救うべく自爆して活路を拓いた。のちに、残された部品から復活させるも元々のプログラムが起動してグローグーを殺害しようとしたため壊され、続いてはグローグーの歩行用ドロイドIG-12として生まれ変わる。マンダロア奪回の際にはグローグーの手足として使われたが最終的には再び破壊されてしまう。そして、マンドーが新たにIGユニットの頭部を手に入れたことで4度目の復活。最終的には惑星ネヴァロの保安官となった。まさに数奇な運命をたどったと言えるドロイドだろう。
●B2EMO
登場作品:「キャシアン・アンドー」
アンドー家の一員として仕えるB2EMO(「キャシアン・アンドー」) / [c]2025 Lucasfilm Ltd.
物語のきっかけとして主人公と出会い、行動を共にし続けるドロイドがいる一方で、長きにわたる付き合いから家族のような絆を築いているドロイドもいる。「キャシアン・アンドー」に登場したB2EMOをまさに家族のように信頼されたドロイドだった。キャシアンを育てたマーヴァ・カラーシ・アンドーとクレム・アンドー夫妻のために働く言語機能を持つ廃品回収支援ユニット。その形状から積極的に行動して冒険に役立つような存在ではなかったが、アンドー家においてはスクラップの牽引や通信の補助などを担い、時には話し相手にもなる存在で、家族の養子となったキャシアンにも協力的であった。
B2EMOは車輪を使って移動する(「キャシアン・アンドー」) / [c]2025 Lucasfilm Ltd.
キャシアンが任務のために惑星フェリックスを離れる際にはひとり残されるマーヴァに寄り添う。マーヴァがキャシアンと再会することなく亡くなった際には、彼女の最後のメッセージを葬儀の際にホログラムで投影し、惑星フェリックスの住民たちを帝国に立ち向かわせるきっかけを作った。「キャシアン・アンドー」シーズン1の最後では、キャシアンと再会を約束し、フェリックスから撤退する人々と行動することを選ぶが、その別れ際もまさに家族同士の会話のようで印象的だった。
■ドロイドに着目すると、さらに「スター・ウォーズ」の世界観が広まる!
●ヒュイヤン
登場作品:「スター・ウォーズ:アソーカ」ほか
「クローン・ウォーズ」にて初登場したヒュイヤン(「スター・ウォーズ:アソーカ」) / [c]2025 Lucasfilm Ltd.
寿命がある知的生命体に比べ、ドロイドは機械であるためメンテナンスをしっかりすることで、知的生命体とは比べものにならない時間を過ごすことができる。テレビアニメシリーズ「スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ」に登場し、その後「スター・ウォーズ:アソーカ」で再登場を果たした、ものづくりをサポートするアーキテクト・ドロイドのヒュイヤンは、何世紀にもわたってジェダイ・オーダーに仕え、ライトセーバーの作成方法を教えてきた生き字引、もしくは長老とも言える存在。
ヨーダよりも古い時代からジェダイに仕えたヒュイヤン(「スター・ウォーズ:アソーカ」) / [c]2025 Lucasfilm Ltd.
彼のデータバンクには古代のジェダイのしきたりや歴史などを記録し、ジェダイ騎士が代替わりするなかでそれらの知識を代々伝える役目を担ってきた。オーダー66によってジェダイ・オーダーが滅亡した後も破壊を免れ、銀河帝国の崩壊後にはアソーカ・タノと行動を共にしている。膨大な知識を持つヒュイヤンは、アソーカにとっても指導者のような存在であり、ほかのドロイドとは異なる古老的な存在感が大きなドロイドだ。
●ピップ
登場作品:「スター・ウォーズ:アコライト」
ポケットサイズのドロイド、ピップ(「スター・ウォーズ:アコライト」) / [c]2025 Lucasfilm Ltd.
ドロイドと言えば、ほとんどの場合は自律稼働型を思い浮かべるが、なかにはちょっと特殊な形状のものも存在する。「スター・ウォーズ:アコライト」に登場した小型のドロイド、ピップだ。主人公オーシャのカバンやポケットに収まるほどの小型サイズで、見た目も四角い電子機器のような形状。宇宙船の様々な修理に役立つ機能を持ち、修理作業にともなう膨大なデータが詰め込まれている。修理の状況に合わせて内蔵されているツール機能を提案し、宇宙船のメカニックであるオーシャのサポートを行う。ツール機能のほか、カメラや発信機、ライトなどが内蔵され、分離させて遠隔的に動かすこともできる。もちろん言語を理解し、コミュニケーションを取ることができるので、知能を持つマルチツールとなっているのだ。
ここで紹介した以外にも、ドロイドはいろいろな「スター・ウォーズ」関連作品を世界観として繋ぐ役目も担っている。「エイペックスレジェンズ」で知られるリスポーン・エンタテインメント開発のゲーム「スター・ウォーズ ジェダイ」シリーズは、オーダー66で生き残ったジェダイ、カル・ケスティスが主人公となるアクションアドベンチャー。その相棒となるのが、カルの背中に取り付き、冒険の手助けをする小型ドロイドのBD-1。危険な場所での行動をサポートするために設計されたBDユニットは、「マンダロリアン」や「ボバ・フェット」でもBD-72として登場している。
また、「スケルトン・クルー」の第1話に登場する、アト・アティンでスクールバスを運転するドロイドはRXシリーズと呼ばれるタイプ。ディズニーランドのアトラクション「スター・ツアーズ」初代版においてスタースピーダー3000を操縦してくれたRX-24と同型となっている。このように、ゲームやアトラクションなど、ドロイドは映像作品以外の世界観を繋げる役目を果たしており、「スター・ウォーズ」にとって欠かせない存在であることは間違いない。ドロイドに目を向けると、「スター・ウォーズ」の世界観をより広く見ることができるはずなので、今後も彼らの存在をぜひチェックしてシリーズを楽しんでみてほしい。
「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」はディズニープラスで独占配信中! / [c]2025 Lucasfilm Ltd.
文/石井誠