井上尚弥の防衛ロードに狂い…挑戦者グッドマンの“棄権発表”に母国メディア落胆。「不慮の事故」と同情も「彼のキャリアにとって大きな後退」とバッサリ

 無念の発表である。

 プロボクシングの世界4団体スーパーバンタム級・統一王者である井上尚弥に挑戦するIBF、WBO世界同級1位サム・グッドマン(オーストラリア)が再び負傷し、1月24日(東京・有明アリーナ)に行なわれる予定だったタイトルマッチを棄権するとグッドマン陣営がSNSで電撃発表した。井上陣営は新たな挑戦者と対戦する。
【動画】グッドマンが”再び”左目上を裂傷した瞬間

 まさに寝耳に水だ。昨年12月14日、グッドマンは母国での最終スパーリング中に左目上をカットし、同24日に予定していた井上との試合を1か月延期したばかりだった。グッドマンと契約を結ぶ『No Limit Boxing』の公式インスタグラムによると、オーストラリア人ボクサーは11日の朝、スパーリング中に左目の上を再び裂傷。「イノウエとの試合を棄権せざるをえなくなったことを残念に思います」と説明した。

 この一報に、母国メディアも落胆の色を隠せない。オーストラリアのトップニュースサイト『News.com.au』は「サム・グッドマンは、2度目となる世界タイトルマッチからの棄権を余儀なくされ、悲嘆に暮れている」と報じた。

 同メディアは続けて、「ナオヤ・イノウエとの世界戦は、練習中にまたもや左目上を負傷したため、再び中止となった。26歳のグッドマンは当初、クリスマス・イブに日本の大スターと対戦する予定だったが、前回と同じ箇所をカットしてしまった」と説明。「彼のプロモーターである『No Limit Boxing』のマット・ローズ氏はグッドマンと悲しみを分かち合った」と同社が発表した声明を付け加えた。
  オーストラリアの公共放送局『ABC』の電子版もグッドマンの棄権を速報した。無敗の絶対王者とのビッグマッチを2度も辞退せざるを得なくなった母国のファイターについて、「世界タイトル獲得の夢は崩れ去った」と嘆く。「先月、グッドマンはシドニーのジムでのスパーリングで『不慮の事故』に見舞われ、4針を縫う大怪我を負った」と同情を寄せつつも、「今回の出場辞退は、彼のキャリアにとって大きな後退である」と鋭く指摘し、世界のファイターに実力をアピールする千載一遇の好機を逃したとバッサリ断じている。

 グッドマンとのタイトルマッチに向け、ハードな練習を持続していた井上。防衛ロードに、またも狂いが生じてしまった。

構成●THE DIGEST編集部

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