昨年末にYahoo!ニュースで掲載されたダウンタウンの松本人志への独占インタビューの記事内で、『ダウンタウンチャンネル(仮)』という独自のプラットフォームを制作する構想があることを明らかにされた。早ければ春にもスタートするというこのプラットフォーム、その内容はどんなものになるだろうか。
『ダウンタウンチャンネル(仮)』の可能性
『ダウンタウンチャンネル(仮)』は、加入者が定額料金を支払ってプラットフォーム内にある映像作品などを楽しめるものになりそうで、おそらくこれが、文春による「性加害報道」以降、芸能活動を休止している松本の本格的な復帰の場になると思われている。
気になるのは、この独自プラットフォームがどのような規模や形を想定しているものなのかということ。
Netflix、Amazon Prime Video、ABEMA、Disney+、DAZNなどのように映像コンテンツを総合的に扱うものなのか、それとも個人のオンラインサロンのようなものなのか。
現状、どちらにも転がる可能性が考えられるが、前者のような盛大なコンテンツ展開を期待している人は多いはず。
実際に松本が所属する吉本興業はFANY Channel、BSよしもとなどを運営しており、またテレビ各局と組んで番組制作もおこなっていることから、ある程度のノウハウは心得ているだろう。
ただそれが、「ダウンタウンに関するものだけを見ることができるプラットフォーム」なのか、それ以外のコンテンツも楽しめるプラットフォームになるのかは現状不透明だ。
さて、そんな『ダウンタウンチャンネル(仮)』だが、果たしてどれだけの人が加入するのか。
たとえばNetflixは、2024年6月時点で日本における加入者は1000万人を突破したと報じられた。
ただそれは、膨大な数の映画やドラマなどが観られ、さらにドラマシリーズ『地面師たち』、『極悪女王』(ともに2024年)などオリジナル企画のヒット作・話題作が多数あるからにほかならない。
配信プラットフォームの成功の一つはコンテンツの質以上に、そういった「数」のパワーが重々に必要になる。
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スピードワゴン・小沢一敬やクロスバー直撃・渡邊センスへの親心は?
Yahoo!ニュースのインタビュー記事を読む限り、取材段階で『ダウンタウンチャンネル(仮)』の構想は「会議をしている段階」とのことなので、今春開設を目指すとなると、スタートアップの時点で「数」は明らかに不足するのではないだろうか。
そうなると、限られた加入者しか集まらない可能性が考えられる。
松本が復帰を急ぐあまり、コンテンツ数不足のまま『ダウンタウンチャンネル(仮)』を発車させると一気に“ムラ化”するように思えてならない。(※ムラ化=業務の品質が一定ではなく、バラツキが生じている状態)
もし当初からオンラインサロン規模で考えているのであればそれでもいい。
しかし、松本、ダウンタウンのクラスが果たしてそれで満足、納得ができるのだろうか。
そもそも個人規模であれば「YouTubeチャンネルでも問題はないのでは?」と思ったりする。
つまり「プラットフォーム」と呼ぶべき大きな規模感でやるためには時間をもっとかけるべきで、なおかつ吉本興業だけではなく、制作・運営をより広いところから集めてこなければ成立しづらい(その点はきっと見込みをつけているだろうが)。
なにより前述したように松本の復帰の意向に合わせてスケジュールを進行させたり、はたまた同じ騒動の渦中にある小沢一敬(スピードワゴン)や渡邊センス(クロスバー直撃)にも活動の場を与えたいという“親心”が先行したりすると、厳しい現実が待っているのではないだろうか。