銅線を加工してイチョウの木を作り、長屋のジオラマを制作する動画がYouTubeに投稿されました。この動画の再生数は記事執筆時点で3万4000回を超えています。
イチョウの木などを作っていく
動画を投稿したのは、YouTubeチャンネル「ジオラマと植物のアトリエ | KinoArts」。昭和の風景をリアルに再現するため、セイタカアワダチソウや長屋の壁面のツタ、このジオラマのもう1つの主役であるイチョウなどを作っていきます。
まずは銅線でイチョウの木のベースを作ります。全体のバランスから木の高さを10センチとし、ニッパーを使って数本の銅線を切り出しました。銅線はよじってあるので、必要な本数をまとめて工具につなぎ逆回転。全てバラバラにします。
銅線を束ねたら底部だけねじり、補助剤であるフラックスを塗布。続けてハンダをじっくりと溶かして染み込ませたら準備完了です。バラバラにした銅線をまとめてねじることで、イチョウの「幹」「枝」を作っていきます。
木の質感を再現
枝として形が決まった部分には瞬間接着剤を使用。硬化促進剤も使って固まるのを早めます。先端まで細かくねじって複数の枝を形成したら、不要な部分はニッパーでカット。次は木の質感を表現するべく、銅線にラッカーパテを塗ります。
大まかにパテを盛り付けたら、本物の木のでこぼこを加工および縮小し3Dプリンタで出力した治具(補助工具)の出番。パテの上から押し付けて木のでこぼこを刻印した後、24時間かけてある程度まで乾かします。
24時間が経過した時点ではパテが乾き切っていません。それを利用し各部をカット。ハサミで切り込みを入れて、ピンセットでねじり切り、理想とする木の形に仕上げました。
次の工程は塗装。まず下地塗料を塗り、ブラシを使って濃い茶色の塗料を付けていきます。塗りすぎてしまった部分は綿棒でこすって量を調整しながら、明るめの茶色を塗って、光が当たっている部分を再現。長年にわたって風にさらされた樹木の雰囲気や、でこぼこ感が出てきました。
細かい枝と葉をひたすら接着
ここで、3Dプリンタを使って再現した「イチョウの枝の先端部分と葉」を投入。土台部分から「枝と葉」を次から次へと切り取り、エアブラシで1本ずつ黄色く塗装します。この時点で用意した葉の枚数は5000枚。銅線で作ったイチョウ本体に、これまた1本ずつ接着剤で固定していきます。何と気の遠くなる作業……!
残念ながら5000枚では足りなかったので、追加で印刷し合計1万3000枚もの葉っぱを用意。再びイチョウ本体に1本ずつ付けていきます。なお、接着だけで6時間かかったとのこと。
接着剤の光沢を抑える塗料を塗って自然な感じを演出し、不要な枝はカット。折れないよう補強を加えればイチョウの木の完成です! 元が銅線とは思えない仕上がり。
動画の後半では、イチョウの落ち葉やセイタカアワダチソウ、ツタを作成し長屋のジオラマに植え込む工程が登場。作業の詳細は動画で確認できます。
「凄いしか言葉が出ません」の声
完成したジオラマの驚きのクオリティーに、コメント欄では「すげー!」「凄いしか言葉が出ません」「根気、センス、観察力、工作力の塊」「全ての造形がすばらしい!」「めっちゃ綺麗! うっとりしちゃう」「こんな繊細なジオラマ初めて見ました」といった声が上がっています。
YouTubeチャンネル「ジオラマと植物のアトリエ | KinoArts」では、ススキのミニチュアを使ったジオラマの制作動画やセメント工場のミニチュアを組む様子なども公開されています。
動画提供:YouTubeチャンネル「ジオラマと植物のアトリエ | KinoArts」