「男女の友情は存在するのかしないのか」
昔から度々の論争を巻き起こしてきたこのテーマは、いまだに決着がついていないように見えます。
しかし、これまでに各所で実施されてきた調査を調べてみると、どうやらとある法則がある様子。
今回は「男女の友情は存在するのか」論争に終止符を打つべく、過去の調査結果に基づいた結論をご提案します。
過去調査からわかる男女の傾向
最新のZ世代調査として2024年にPR TIMESが実施した、「男女の友情」をテーマにした調査レポートによると、男子大学生の79%、女子大学生の87%が「男女の友情は成立する」と回答。
また、同年にマクロミルが実施した15~49歳の2100人を対象にした調査では、男性のうち「(男女の友情が)成立する」と回答した人は64.9%。一方、女性は70.4%という結果に。
さらに、マイナビウーマンが、22~39歳の男女201人を対象に行った同様のアンケート調査では、男女ともに「男女の友情は成立する」と回答したのは66.3%でした。
これらの調査結果からわかるように、男女の友情が成立すると考えている人は男女ともに過半数以上と、意外と多い印象です。
そして、全体の傾向として、男女の友情が成立すると考えるのは、男性よりも女性の方が多いこともわかります。
興味深い調査データがもう一つあります。
少し古いデータですが、2012年に株式会社リクルートの総研リサーチニュースが実施した、20~40代の未婚男女2478人を対象にした調査があります。
こちらでは、 「男女の友情が成り立つ」と思う男性は44.6%、女性が57.9%。という結果に。
多様性などを通して人権リテラシーが周知された現代ほど、以前よりも「男女の友情は成立する」と考える人が増加傾向にあると予想されます。
ですが、いずれにせよ男性よりも女性の方が男女の友情に肯定的であることがわかります。
・参考文献:PR TIMES「【Z世代のホンネ調査】男女の友情は成立する?」
・参考文献:マクロミル「男女の友情、成立する?しない?2100人に聞いてみた!」
・参考文献:マイナビウーマン「男女の友情は成立するのか? 男女の本音をアンケートで調査」
・参考文献:株式会社リクルート「総研リサーチニュース」
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男女で回答が異なる原因
全体の過半数が男女の友情に肯定的とはいえ、割合としては男性より女性の方が肯定的な人が多いようです。
なぜ、男性よりも女性の方が男女の友情に肯定的なのでしょう?その理由について考えてみました。
男女それぞれの視点で解説します。
女性が男女の友情に肯定的な理由
そもそも女性は、男性よりも地域社会への適応力が高く、コミュニケーションが得意な人が多い傾向にあります。
これは、人間が進化する過程で備わった力といわれており、男性は狩りをするための能力が磨かれ、女性は地域発展のための能力が磨かれた結果です。
女性が男女の友情に対して比較的肯定的なのは、進化の過程で獲得したいわゆる「女性的な遺伝子」によるものなのかもしれません。
また、ホモソーシャル的であったり実力主義的であったりする男性社会に比べ、女性社会は協調性や共感性が求められる傾向があるようです。
こうした背景も、男女で回答が異なり理由の一つといえるかもしれません。
男性の賛成率が低い理由
「男女の友情は成立する」という意見に対する男性の賛成率が、女性のそれよりも少ないのは、おそらく男性の性的欲求の強さによるものでしょう。
基本的に強い性欲を持つ個体は、女性よりも男性の方が圧倒的に多く、女性を「恋愛対象」や「性対象」と見る個体数もかなり多いことが予想されます。
実は筆者も、20代の若い頃は「男女の友情は成立し得ない」と思っていました。
当時、同年代の女性に「男女の友情は成立すると思う」という人が何人かいました。
ですが、少なくとも筆者自身は同年代など年齢の近い女性全般を「女性」として強く意識していたので、友情はほとんどあり得ないと思っていたのです。
しかし、結婚して歳をとると考え方が変わり、男女でも友情が成立する派になりました。
いずれにせよ、男性は女性よりも「異性を異性として強く意識する人」が多く、これが原因で「男女の友情は成立しない」と考えがちであることが予想されます。