「コメ農家」の倒産・廃業 年間で過去最多更新! コメ高値でも農家は『赤字常態化』

深刻な後継者不足

米作農業の業績をみると、23年度では最終損益で「赤字」が25.8%を占め、利益の減少を示す「減益」(29.4%)を合わせた「業績悪化」は55.2%と全体の半数を超えた。

利益が残らないことから、翌年の苗床やトラクターなどの機材調達費用が捻出できないといった事情がある。

また、就農者の高齢化や離農が進むなかで、次世代の担い手が見つからないといった深刻な後継者不足問題も、コメ農家の廃業を後押しする主な要因となっている。

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持続可能な米作農業の構築

実際に、廃業時の代表者年齢が判明したコメ農家のうち、2024年は「70代」以上が6割超、「60代」を含めると約8割を占めた。

さらに、足元では急激なコメ価格の高騰で消費者の「コメ離れ」を懸念する声もある。

コメ農家の経営と、物価高に悩む消費者の双方を意識した、持続可能な米作農業の構築が急がれる。