“年俸5000万ドル男”ビールをベンチ起用するサンズをアリナスが批判「平均31点取ってほしいならシュートを打たせろ」<DUNKSHOOT>

 フェニックス・サンズのブラッドリー・ビールは、シーズン途中にスターターからベンチスタートへ配置転換された。テコ入れ後のチームは2勝1敗だが、年俸5020万ドル(約79億2000万円)のシックスマンという役割には様々な意見があるなかで、ギルバート・アリナス(元ワシントン・ウィザーズほか)はビールにもっとシュートを打たせるべきだと説いている。

 ビールは2023年6月、プロ入りから11年間を過ごしたウィザーズからトレードでサンズへ加入。ケビン・デュラント、デビン・ブッカーとの超攻撃的ユニットが完成した。

 しかし、トリオ結成初年度はブッカーとビールが故障がちだった影響で足並みが揃わず。上位を狙った今季も開幕8勝1敗の好スタートを切ったにもかかわらず、ここまで17勝19敗でウエスト12位と、プレーオフ進出に黄信号が灯っている状況だ。

 とりわけ昨年12月以降は4勝10敗と失速するなか、マイク・ブーデンホルザーHC(ヘッドコーチ)は現地時間1月6日(日本時間7日、日付は以下同)のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦からビールをベンチスタート起用。
  ビールはこの試合後半に20得点を叩き出すなど、チームトップの25得点をあげて勝利に貢献すると、1月9日のアトランタ・ホークス戦でも25得点と活躍。シックスマンとして出場した3試合は平均20.0点、3.3リバウンド、4.0アシスト、フィールドゴール成功率59.1%、3ポイント成功率38.5%の成績を残している。

 ビール自身はベンチへの配置転換には驚いたというが「俺は自分がスターター(が相応しい)と信じている。でも、コーチが決断した。それを受け入れ、自分がやるべきことをするだけだ」と、チームのために受け入れる姿勢を示した。

 もっとも、サンズでのビールの立場はデュラント、ブッカーに次ぐ第3オプション。ウィザーズ時代に平均31.3点を挙げた2020-21シーズンは1試合平均23.0本のシュートを放ち、48.5%の確率で成功させていたが、サンズ移籍以降は2023-24シーズンが1試合平均13.9本(成功率51.3%)、今季は14.5本(成功率49.3%)とオフェンスにおける重要度は落ちている。
  かつてミネソタ・ティンバーウルブズなどでプレーしたラシャード・マキャンツは、アリナスのポッドキャスト番組『Gil’s Arena』で「年俸5000万ドルをやるから、平均25点、4リバウンド、4アシストの(成績という)見返りをくれ。ベンチからでも他の方法でシュートを23本打ってくれ」とビールを批判。「今が全盛期なのに、ベンチスタートでセカンドユニットだって?ブッカーを含めて、彼らは一緒にプレーできる」と、ベンチスタート起用にも異論を唱えた。
  しかし、これにアリナスは「馬鹿げて聞こえる。『5000万ドル払うから、5000万ドルくれ』と言っているようなものだ。平均31点という、払っているものに見合うものを寄こせと言うのなら、シュートを打たせろ。ボディガードとして守ってほしいなら、銃を寄こさないとね」と厳しく反論し、チームの起用法に問題があるとしてビールを擁護した。

 ウィザーズ時代の絶対的エースとして見せていた圧倒的な得点力を考えれれば、今のビールが物足りなく映るのも事実。喧騒をかき消すためには、個人とチームの結果を同時に残していくしかない。

構成●ダンクシュート編集部

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