ボールを大事にする高校がもっと増えてもいい。初出場で4強の東海大相模、2年生CBが披露した“何気ないプレー”に感銘【選手権】

[高校選手権・準決勝]流経大柏(千葉)1-0東海大相模(神奈川)/1月11日/国立競技場

 1月11日に開催された第103回全国高校サッカー選手権の準決勝で、初出場でベスト4に進出する快進撃を見せてきた東海大相模が、千葉の名門・流経大柏と対戦。接戦の末に、0-1で敗れた。

 今大会、驚異的なロングスローが話題となった東海大相模だが、決してハイボールに頼るチームではなかった。繋ぐ意識を持ち、むしろロングボールは少ないほうだ。

 準決勝では、何気ないプレーに感銘を受けた。前半35分あたりで、ボールを持った2年生CBの石井龍翔がプレスを受けながらもボランチにパスをつけたのだ。

 全ての試合を見たわけではないが、今大会を1回戦から取材してきて、このような場面でDFが慌てて前方にアバウトなボールを蹴ってしまう高校が多い印象だった。
【動画】初出場・東海大相模と名門・流経大柏が準決勝で激闘
 トーナメント戦で、しかも準々決勝までは80分、決勝以外は延長戦なしというレギュレーションでは、1点に途轍もない重みがあるため、ゴール前でボールを奪われるリスクの回避を最優先にするのは理解できる。ただ、それほどプレッシャーを掛けられていない場面でも、大きく蹴り出してしまうシーンが散見された。

 裏抜け狙いやターゲットとなる選手を目がけての意図のあるロングボールであれば良いのだが、お互いにただ蹴り合ってボールが落ち着かない場面も少なかった。

 体格で勝てない日本が世界で戦っていくためには、ロングボールではなく、繋いでいくスタイルを目ざすべきなのは言わずもがなだ。将来的に日本代表で活躍する選手たちを送り出す舞台でもある高校サッカーでも、勇気を持ってパスを繋ぎ、ボールを大事にするチームがもう少し増えてもいいのではないだろうか。

取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部)

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