既報の通り、元世界4位の錦織圭(現74位)が、テニス四大大会「全豪オープン」(1月12日~26日/オーストラリア・メルボルン/ハードコート)の男子シングルス1回戦で予選勝者のチアゴ・モンテーロ(ブラジル/同106位)を相手に4時間超のフルセットの末に、4-6、6-7 (4)、7-5、6-2、6-3で逆転勝利を収め、同大会6年ぶりに1回戦を突破した。
この試合を現地で見ていた日本テニス界レジェンドの松岡修造氏が、自身の公式インスタグラム(@shuzo_dekiru)をすぐさま更新。「心の底から一言いいたいです。メルボルンに来て、全豪オープンテニスに来て本当によかった!!」と興奮気味に語り、自身が感じたことや独自の分析を以下のように綴っている。
●試合の舞台と相手選手
対戦相手は予選を勝ち上がってきたブラジルのT.モンテーロ選手。彼はまさに人生最高のプレーを披露し、錦織選手を何度も追い詰めた。第1セットから第2セットにかけて、錦織選手はブレイクポイントのチャンスを幾度も迎えたが、相手のスーパープレーに阻まれる。そして第3セットでは、相手に2本のマッチポイントを握られるという、まさに「崖っぷち」どころか「崖から落ちた」ような状況だった。しかし、錦織選手はここから奇跡的な挽回劇を披露する。
●4時間半の熱戦の末に掴んだ勝利
この試合は4時間半に及ぶ長丁場となったが、錦織選手は体力的にも精神的にも安定感を見せ続けた。そして彼の強さを象徴する3つのポイントを挙げたい。
1. 諦めない圭!
試合後のインタビューで錦織選手は、「相手のマッチポイントでは諦めそうになった」と語った。でも、諦めそうであっても、諦めることはなかった。どれだけ相手が良いプレーをしても、自分のテニスを信じ、崖から這い上がるように粘り強さ、諦めない圭!
2. がんばれ圭!
グランドスラム大会の中でも、特に日本の応援が多いのが全豪オープン。日本の国旗が振られ、「頑張れ!」という声援が子どもから年配の観客まで一体となって響き渡った。錦織選手はその応援を力に変えて戦った。まさにがんばれ圭によって、がんばった圭。
3. ファイナルセットでは負けない圭!
錦織選手はファイナルセット勝率で世界ナンバーワンの記録を持つ。その強さは試合を通じて、錦織脳に錦織体感に刻まれていく。だからこそ、最も重要な場面で的確な決断を下し、攻撃的なテニスを展開して勝利を手繰り寄せることができる。まさに、私、ファイナルセットでは負けないので圭!
●試合後の感動と次への期待
試合後、錦織選手と握手した際に「修造さん、手が冷たいですね」と言われたほど、僕自身も緊張し手が凍ってしまっていた。次の試合までは2日間の休養がある。体をしっかり休めて、次の戦いに備えてほしい。
そして「本当にありがとう圭!テニスのことになると超長文ごめんなさい。興奮がおさまらない」と松岡氏らしく熱く締めくくった。
今回激闘を制した錦織は、次なる2回戦で第12シードのトミー・ポール(アメリカ/同11位)とクリストファー・オコネル(オーストラリア/同70位)の勝者と対戦する予定だ。果たしてその2回戦でも松岡氏が再び驚くような内容で勝利を飾ることができるのか。錦織の戦いぶりに注目が集まる。
構成●スマッシュ編集部
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