鹿児島一の繁華街として知られる天文館。新幹線の終着駅である鹿児島中央からも近く、大阪の心斎橋みたいなアーケードと東京の歌舞伎町的な歓楽街が同居する様子は独特の雰囲気がある。
ただ、鹿児島素人である私(中澤)としては、いまいちめぼしい飲食店を見つけられずにいた。知ってるチェーンに目が惹かれるのは観光客の性。せっかくだからちょっとでも鹿児島を感じたい。そこで地元民が謎に激推ししてきた店に行ってみることにした。
・サウナ従業員「とっておき」
「謎に」と言ったのは、激推しされた状況が意味不明だったからである。それは天文館にあるビジネスホテル・ホテルニューニシノに泊まった時のことだった。
天然温泉サウナもあるホテルニューニシノ。その佇まいはどことなく人情を感じさせるもので、事実、歴史があり、今でも天文館を支えるサウナとなっていることは以前の記事でお伝えした通りである。
その天然温泉サウナを出る時、受付をしていた60歳くらいのおじさんに雑談みたいな感じで話しかけられた。「これから外に行くんですか?」と。「そうですね。コンビニ行きます」と答えると、「私も看板を片付けたりするので一緒に下に降りましょう」と誘ってくるおじさん。へにゃっとした人懐っこい笑顔である。
人情が漂っているのは建物の佇まいだけでなかったか。そう思いながら、一緒に下に降りると、「実はとっておきの店があるんですよ。酒は飲みますか?」とおじさん。
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・教えたくて仕方がないおじさん
そもそも、サウナ従業員に話しかけられたことも初めてなのだが、全然聞いてないのに「とっておきの店がある」と切り出してくるところに、教えたくて仕方がないオーラがにじみ出している。私は基本酒は飲まないが、なかなか興味深いおじさんであったため、コミュニケーションの一環でお店を聞いたところ……
「ここ、ここ! ここですよ!!」と私を先導するおじさん。「毎日通ってるんです。ここ凄いんですよ!」とウキウキしている。どんだけ教えたいねん。