スマートグラスやAIグラスが展示されていたのか
今年のCESでは、どのようなスマートグラスやAIグラスが展示されていたのか。具体的な製品を紹介しよう。
Everysight社スマートグラス
特に印象的だったのは、Everysight社のスマートグラスだ。軽量でエルゴノミクスを考慮したフレームは47g未満で、特にアウトドアスポーツに適している。ディスプレイにはソニー製のカラーマイクロOLEDを採用し、鮮やかな色彩とシャープなディテールを実現していた。バッテリーは8時間以上の連続使用が可能で、充電の心配なく一日中使用できるのが魅力的だ。
注目すべきは「Line of Sight(LOS)」機能で、3D加速度センサーやジャイロ、マグネトメーターを駆使して、AR環境内の仮想オブジェクトがリアルワールドと自然に調和する体験を提供している。
Loomos社 AIグラス
LoomosのAIグラスも注目を集めており、16MPのカメラを搭載し、4K写真や1080P動画を撮影できる。さらに、AIウィジェットを追加することで機能を拡張でき、独自のAIプロセッサを搭載しているため、「Hey Loomos」と話しかけるだけで即座に応答する。また、Hi-Fiオープンイヤーオーディオにより、会話や音楽を耳を塞がずに楽しめるのも魅力だ。
VIZUXスマートグラス活用「XanderGlasses」
エイジテック向けには、日本のVIZUX社のスマートグラスを活用した「XanderGlasses」が展示され、聴覚や音声理解に課題を抱える人々をサポートする技術が注目された。AIによるテキスト変換機能で、話された言葉が即座に字幕として表示され、周囲の音もキャプション表示される。また、26言語に対応したクラウドベースの多言語翻訳機能が搭載されており、認知症の方々の医療面でも役立つ可能性がある。
AGC AR/MRグラス向けガラス基板
さらに、AGCが展示したAR/MRグラス向けガラス基板は、これまでのスマートグラスの常識を覆す技術で、フレーム内部にプロジェクターを埋め込むことにより、全体の軽量化を実現している。この技術は、スマートグラスの未来を大きく変える可能性を秘めている。また、AGCが展示した透明μLED封入サイドウィンドウ技術は、車用の窓ガラスに透明なμLEDディスプレイを埋め込んだもので、タッチパネル機能を備え、車内エンターテインメントやナビゲーションの新しい形を提案している。
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次年度の進化が楽しみ
今年のCESでは、スマートグラスやAIグラスが中心的な存在となり、ハードウェアの進化とともにAIやAR技術の融合が新たな可能性を切り拓いている。市場としてはまだ決定打が生まれていないが、企業の多様なアプローチが未来への希望を膨らませている。これらのデバイスが私たちの生活にどのように取り入れられ、どのような価値を提供するのか、今後の展開が非常に楽しみである。