ダチアのナッサー・アル-アティヤは、FIA会長のモハメド・ベン・スレイエムに対して、今年のダカールラリーでの不満について訴えた書簡を送ったことを明らかにした。
5度ダカールを制した経験を持つアル-アティヤは、ステージ5を最速で駆け抜けたものの、スペアホイールの紛失によって10分のタイムペナルティを受け、1秒差でステージ優勝を失うことになった。
またアル-アティヤは、序盤の4ステージでクラッシュを喫したカルロス・サインツ(フォード)とセバスチャン・ローブ(ダチア)の競技続行を妨げたFIAの決定にも不満を露わにしている。
フラストレーションが高まる中、アル-アティヤはベン・スレイエム会長に”手紙”を書く意向を示していた。
motorsport.comなどのメディアからその進捗状況について尋ねられたアル-アティヤは、次のように説明した。
「ああ、僕たちは書簡を送り、自分たちの立場や”10分間”について自己弁護したんだ。アレはミスだったし、10分間のペナルティを受けた。しかし、僕たちはこの状況を変えるために取り組んでいるのであって、適切な人材を(そこに)配置する必要があるんだ」
「楽しめないよ。ダカールを楽しんでいない。日々やっているけど、何か変なことが起こるたびに、まったく楽しめなくなる」
ダカールを楽しむために足りないモノは何かと尋ねられ「いいや、僕たちは何もミスしていない」と答えた。
「でもレースに来たら、楽しまなければならない。ルールがある以上、途中で政治的なことがあったり、フェアでないことがあったりする必要はない。毎日何かを変える必要はない。僕らは学校にいるわけじゃないんだから」
アル-アティヤはステージ7の勝者であるルーカス・モラエス(トヨタ)から12分弱の遅れでフィニッシュした。この日は、ロードブロックのミスによりタイムを失ったドライバーに対して救済処置が取られ、ルートのうち20kmが中立化された。アル-アティヤはモラエスから一時40分以上遅れていたが、それに助けられた形だ。
結果としてアル-アティヤは、総合首位のヘンク・ラテガン(トヨタ)から21分57秒差の総合4番手に踏みとどまっている。
まだ6勝目を挙げることができるかと聞かれ、彼は「わからない。でも、最終的には勝てるかもしれない」と答えた。
「今のところステージ優勝はできていない。一日一日を大切にして、どうなるか見てみよう」
「20分差なんてないようなモノだ。まだ5日間あるし、1日1日ベストを尽くしていく。僕は優勝するために全力を尽くすよ」