Blackmagic Designは、花王のスキンケアブランドのひとつであるキュレルのウェブCMの撮影にBlackmagic Cinema Camera 6Kデジタルフィルムカメラが使用され、ポストプロダクションにDaVinci Resolve Studio編集/カラーグレーディング/VFX/オーディオポスト・ソフトウェアが使われたことを発表した。
キュレルは花王株式会社が提供する、20年以上続く老舗のスキンケアブランド。保湿化粧水や保湿クリームから肌のことを考えた衣料用洗剤など、さまざまな製品を開発している。同ブランドは、パリ五輪のスポーツクライミング日本代表である楢崎智亜選手が出演するウェブCMを制作した。
同作の監督をつとめたのは、昨年もキュレルのウェブCMを手がけたShuma Jan氏。昨年は京都の橘高校の吹奏楽部の生徒たちをBlackmagic Pocket Cinema Camera 6Kで撮影して好評を博した。今回の撮影では、Blackmagic Cinema Camera 6Kを使用し、編集とグレーディングをDaVinci Resolve Studioで行った。
Shuma氏は、次のようにコメントしている。
Shuma氏:BlackmagicのカメラはPocket Cinema Cameraシリーズから使っていて(画質が)綺麗だと思っていたんですが、Blackmagic Cinema Camera 6Kでフルフレームになってから、カラーセンサーが変わったわけではないのに、さらに綺麗になったと感じました。
撮ったそのままでも、グレーディングをしても階調が繊細になったように感じます。ローパスフィルターのおかげで偽色も低減されたので、より素直で上質なルックになりました。今回、Blackmagicのカメラをよく使っているカメラマンにお願いしたんですが、Cinema Camera 6Kの画質にテンションが上がっていました。ずっとBlackmagicのカメラを使っていた人ほど感動があると思います。
同作はオープンゲートで撮影された。Shuma氏はオープンゲートの3:2の画角についてこう語る。
Shuma氏:この3:2の画角もいいですよね。普段の16:9の横長の画角の感覚で撮ると無駄なスペースができてしまったり、逆にスペースを詰めすぎたりと最初は苦戦したんですが、慣れると絵作りしやすいと思ってかなり今はまっています。人物の表情に寄ったりするときにすごくバランスが取りやすい画角ですね。
Shuma氏は続ける。
Shuma氏:Cinema Camera 6Kはセンサーが大きくなったことで、今まで小さいセンサーだと引ききれなかったような、狭い空間でも広めに撮ることができます。センサーが小さいと、寄りすぎたり、かなりの広角なレンズを使わないといけないために周辺に歪みが出てしまうこともありますが、フルサイズセンサーではそういうことにならず、レンズの選択肢も増えました。
撮影後はShuma氏がDaVinci Resolve Studioで編集を行い、カラリストと一緒に色作りを行った。Shuma氏は最後にこう結んだ。
Shuma氏:編集ではそれほど苦労はなかったんですが、カラーはCinema Camera 6Kが綺麗すぎて、一緒に使ったドローンカメラやアクションカメラとの画質の差が出てしまって、マッチングが難しかったですね。
赤などの原色の色の出方が特に違って、彩度が高いので、落ち着いたトーンになるように、それらの素材の彩度を抑えたり、Blackmagic RAW素材を上げたりしてバランスをとりました。カラリストも言っていましたが、Cinema Camera 6K自体はスキントーンがすごく綺麗でグレーディングしやすいですね。