2010年春、結(橋本環奈)と翔也(佐野勇斗)は大阪のアパートで新婚生活を始める。家事を分担しながら共働きをして公私ともに充実した日々を送っていた。 そんななか、ある時から結は体調が悪くなるが、翔也...

【朝ドラのツボ!】

第15週「これがうちの生きる道」#71

 2010年春、結(橋本環奈)と翔也(佐野勇斗)は大阪のアパートで新婚生活を始める。家事を分担しながら共働きをして公私ともに充実した日々を送っていた。

 そんななか、ある時から結は体調が悪くなるが、翔也や社員食堂の原口(萩原利久)に心配かけないように隠しながら働く。やがて食欲も落ちる結。異変に気付いた翔也は、何か食べさせようと思案する。

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【本日のモヤっと】

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志村けん&石野陽子コントのデジャブ?

 ※※以下、ネタバレあります※※

 結と翔也の新婚生活がスタートしました。翔也は掃除・洗濯・ゴミ出しを担当、結は料理を担当と役割分担もきっちりと決められているようです。「うんめえ」と結の作った料理を食べる翔也。

「世界一!」「世界一」

「翔也~、ついとったよ」

 そう言いながら翔也の口元についたご飯粒をとって食べる結。見つめ合って「フフフ」。「そういえば谷岡部長に俺たち“平成のバカップル”って言われたぞ」「いいやん」。いかにもの新婚生活の描写は、ドリフの志村けんと石野陽子がやっていたコントの新婚夫婦を見ているようです。

「いい春キャベツが入ってくると思うので、来週の日替わりの主菜はロールキャベツでいきたいと思います」という結の提案に、「そんな手間がかかる料理、作れるか!」と声を荒げるような立川(三宅弘城)はもういません。

「ほう。ロールキャベツか。ええやんかヨネちゃん」すっかり好々爺です。地元野菜を使うにあたって、形の悪いものは刻めばいいとかなんとか言っていたように記憶するのですが、キャベツを丸ごと使うロールキャベツを提案するとはねえ…。ロールキャベツは加熱しても煮崩れしにくい冬キャベツで作るといいとされる料理でもありますし。

 翔也も総務部で居場所を見つけてなにより。それにしても、社内で手を繋いで歩くのはどうかと思いましたが…。そりゃ「バカップル」と言われても仕方がありませんね。

 ところが、新婚の幸せな描写はここまで。始まって4分ほどで結の体調に異変が見られ、病院へ。病名は「腎盂腎炎」でした。「じゃあ食欲が落ちたのも…」と結が医師に尋ねると、「それは妊娠してるからです」と。

 いままで長い間、朝ドラを見てきましたが、ヒロインに赤ちゃんができたというのに、こんなにテンションが低いのは初めてではないでしょうか。

「腎盂腎炎」のうえに「重症妊娠尾悪阻」まで重なって。世の妊婦さん、および出産を経験してきた女性たちは、大変な思いをして子どもを産んできたのですよ、とその理解を広めるために、結につらい経験をさせたのだとしたらまだしも、これが管理栄養士になりたいと思うきっかけに利用しているだけだとしたら、いただけません。

アメちゃんあげるわ、オバちゃん登場



最近は酸素水?(C)日刊ゲンダイ

 米田結という名前に、「あら~。おむすびみたいな名前やね」と言ってしまう管理栄養士・西条小百合役の藤原紀香は今後のキーパーソンになるのでしょうか。水素水の効能を謳うのではないか、とヒヤヒヤしています。

 そうそう。十三のアパートの住人、「ほなアメちゃんあげる」のおばちゃん。大阪のおばちゃんはいつもアメちゃんを持っていて誰彼構わずあげるというの、「ケンミンショー」あたりで得たネタでしょうか?

 残念ながらちっとも笑えませんでした。どうせやるなら、おばちゃんには全身ヒョウ柄の衣装を着せないと。

(桧山珠美/TVコラムニスト)