[高校選手権・決勝]前橋育英(群馬)1(9PK8)1流経大柏(千葉)/1月13日/国立競技場
国立競技場で開催された選手権決勝はともに譲らぬ展開のまま後半35分を過ぎた。そして1-1で迎えた同39分、前橋育英のエース、オノノジュ慶吏が交代を告げられる。
オノノジュはピッチから出た直後、その場でしばらく頭を下げた。時間にして3秒ほどだっただろうか。その姿がとても印象的だったので、囲み取材で以下の質問をしてみた。
「しばらくお辞儀をしていた時の心境は?」
すると、それまで笑顔だったオノノジュの表情が見る見るうちに崩れていく。自分としては「えっ」と思うような想定外の展開(まさかそうなるとは予想していなかった)だったが、涙目で、しかも俯いた状態で「すいません」とひと言絞り出した後、彼は震える声でこう続けた。
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「高校3年間、最後の試合でいろんなことを思い出して。今までやってきたメンバーとやるのも最後だったので、そのラストの試合がもう終わっちゃったんだなと。それでしばらく、ああやってお辞儀をしました」
途中交代を余儀なくされた決勝はゴールを決めることもできなかったが、それでも選手権制覇という最高のフィナーレで高校サッカーを締め括った。「それは良かったのでは?」と訊くと、オノノジュはとびっきりの笑顔でこう答えてくれた。
「最高の思い出です」
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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