日本と思えない。壮大すぎる光景に、私(中澤)はそう感じずにはいられなかった。広がる水平線。爆発する波しぶきすら青い。世界の果てみたいな海岸だ。
この海岸の名前は「犬の門蓋(いんのじょうふた)」。ってこの絶景のどこらへんに犬要素があるんだ?
・どこ?
「犬の門蓋」があるのは、鹿児島の離島である徳之島。離島と言うと近いイメージがあるかもしれないが、徳之島は鹿児島から南西約500kmにある絶海の孤島である。つまり、この海は東シナ海のど真ん中なわけだからどこか日本離れした雰囲気もさもありなんなのだ。
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・現場
切り立った崖にはロープとか手すりみたいな親切なものはなく、遮るものもない東シナ海の海風が直撃するため風もめちゃくちゃ強い。
また、辺り一帯には「めがね岩」と言われる眼鏡型に削れた岩を筆頭に奇岩が広がっている。これらは隆起サンゴ礁が長年にわたる浸食によりできたものなのだそうな。
その奇怪にエグれた岩の形も、岬の波打ち際に行けば納得である。そう、ここは波打ち際ギリギリまで行けるようになっているのだが、「そりゃ奇岩にもなるわ」みたいな波が絶えず岸壁にぶち当たっては爆発しているのだ。