坂口健太郎、柚月裕子原作のヒューマンミステリー『盤上の向日葵』で渡辺謙と初共演!10月に公開

坂口健太郎が主演を務め、渡辺謙と初共演をはたす映画『盤上の向日葵』が10月31日(金)より公開されることが決定。超特報とティザービジュアルが解禁された。

本作は「孤狼の血」シリーズの原作者としても知られる作家、柚月裕子の同名小説を熊澤尚人による脚本と監督で実写映画化したヒューマンミステリー。とある山中で身元不明の白骨死体が発見された。事件の唯一の手がかりは、死体とともに発見された高価な将棋の駒。その駒の謎を追う刑事たちは、とんでもない事実に突き当たる。この世に7組しか現存しないその貴重な駒の持ち主は、プロ将棋界に彗星のごとく現れ、一躍時の人として世間を騒がせている異色の若手棋士、上条桂介だった。やがて上条をめぐる捜査線上には賭け将棋で圧倒的な実力を持ちながら裏社会に生きた男、東明重慶の存在が浮かび上がる…。

突如将棋界に現れた異色の天才棋士、上条桂介役には坂口。賭け将棋の世界で圧倒的な実力を持ち、上条に大きな影響を与える男、東明重慶役に渡辺。原作は「孤狼の血」、「朽ちないサクラ」など、常に己の信じるもののために闘い続ける人間を描いてきた柚月。原作となった同名小説は将棋の世界を背景にしながらも、将棋を知らない読者も多く惹きつけ、2018年本屋大賞第2位となった作品だ。柚月は執筆にあたり「光と影」、「人間の業」、「人生を生き切る」という3つのテーマを根底に据えたという。

2017年にこの小説に出会い「人生の光と影を描いた重厚な人間ドラマ」にほれ込み、原作者も絶賛する脚本を書き上げたのが監督の熊澤。『君に届け』(10)や『ユリゴコロ』(17)、『隣人X』(23)など、繊細な感情の揺れを丁寧に描き、幅広く評価される恋愛映画、ヒューマンドラマを数多く手がけてきた熊澤が、自ら書き上げた脚本でメガホンをとった。

熊澤は主演の坂口について「その過程の葛藤や心情を惚れ惚れするぐらい丁寧に表現してくれました。(渡辺謙演じる)東明と魂と魂をぶつけ合うシーンは見ものです。男の色気に満ち溢れた、いままで見たことのない坂口さんの新たな代表作が誕生したのではないかと感じています」と絶賛。さらに「賭け将棋で生計を立てる真剣師として伝説的な強さだった東明を、渡辺さんが演じてくれたおかげで、脚本をはるかに超える作品に仕上げてくださいました」と渡辺への最高の賛辞を贈る。

一方、坂口は初共演の渡辺について「相手の役を考えた上で自分の芝居をする。現場でいろんな会話をして試しながら、桂介と東明という二つの役を、二つの関係性を(渡辺謙さんと)一緒に作り上げていった感覚がありました」とコメント。「将棋界を描きながら、深い業を背負った男の生き様に心奪われました」と語る渡辺も「坂口君は、真っ直ぐです」、「彼の演じる桂介も様々な困難な生い立ちのなか、懸命に真っ直ぐに生きていきます。それは坂口君自身が悩み苦しむのに似ています。おそらく、今作で彼の違う一面が見られる事でしょう」と語っている。

決然とした表情で歩く上条の姿から始まる超特報映像。警察車両が事件の発覚を伝え、将棋の駒、新人王戦トーナメントの会場風景が、その事件と将棋界との関わりを示唆する。その後に続く「命を張った真剣勝負、見たくねえのか」と暗闇から挑発する東明の姿。血の付いた手、受け入れがたい感情に揺さぶられる上条の姿が続く。画面は一転し「僕は、生きたいんだ」という上条の声に重なる、寒さに震える少年の姿。上条と、東明のあいだに、いったいなにがあったのか。一面に咲き誇る向日葵が意味するものとは。宿命という重みをもった言葉にふさわしい、壮大で濃密なドラマの一端が垣間見える。

あわせて公開されたティザービジュアルも、一面の向日葵の中で行くべき道を見つめる上条と、我が道を行く東明の姿を配置。このふたりの出会いから壮大な物語が始まる期待と予感に満ちたビジュアルとなっている。

日本の映画やドラマをリードする2人の俳優が重厚な人間ドラマを織りなす本作。さらなるキャストなどの続報から目が離せない!

■<コメント>

●坂口健太郎(上条桂介役)

-作品について

「桂介役のお話をいただき、年齢を重ねて、自分の見え方が多少なりとも変わってきたんだなということをあらためて確信した作品です。観てくださる方の苦しみや悩みだったり、想い、抱えているものに答えを出す作品というより、自分にしかできない選択を提示するような作品だと思っています。最初に台本を読んだときに感じたすごく密度の濃いものが、現場ではより色濃くなって、血と汗と涙といった熱量をとても感じました。目に見えなくても、なにか目に見えそうなぐらいの熱気が充満してる、そんな瞬間に立ち会わせていただきました」

-初共演の渡辺謙について

「現場でもコミュニケーションをたくさんとられ、常に自然体で、とても波長が合う、すごく気持ちの良い方でした。監督が作品の全体を見てくださる一方で、役としての全体の軸のようなものを謙さんが示してくださっていて、様々なものをまとめていくエネルギーをすごく感じました。相手の役を考えた上で自分の芝居をする。現場でいろんな会話をして試しながら、桂介と東明という2つの役を、2つの関係性を一緒に作り上げていった感覚がありました」

●渡辺謙(東明重慶役)

-作品について

「ハードボイルドで、流血必至の作家、柚月裕子さんの今作『盤上の向日葵』。将棋界を描きながら、深い業を背負った男の生き様に心奪われました。将棋でしか生きられないせつない男たち、その生き切る姿をご覧下さい」

-初共演の坂口健太郎について

「坂口君は、真っ直ぐです。彼の演じる桂介も様々な困難な生い立ちのなか、懸命に真っ直ぐに生きていきます。でも東明にあってしまい、将棋の奥深さと勝利への執念に目覚めます。それは坂口君自身が悩み苦しむのに似ています。おそらく、今作で彼の違う一面が見られる事でしょう」

●熊澤尚人(監督)

-作品について

「原作を読んだのが2017年。高価な将棋の駒を死体と一緒に何故埋めたのか?その謎を解くミステリーですが、親子の葛藤と人間の業、人生の光と影を描いた重厚な人間ドラマとして大変面白く、映画化したいと直ぐに映画会社に持ち込みました。脚本を書き始めてから約7年。沢山のハードルがありましたが、粘り強く乗り越え、完成へと至りました。大まかに5つの時代が、宿命と因果で繋がる物語を映画にするのは大変難産でしたが、降りかかる苦しみのなか、自らの意志で人生を選択していく男の物語であり、主人公のその心情を一番大切に紡ぎました。多くの人が共感できる作品を作り上げることができたのではないかと思っています。ぜひご期待ください!」

-坂口について

「運命に翻弄され、異端の棋士となる主人公の桂介を、繊細に、そして大胆に演じきってくれました。桂介は幼い頃に父親のせいでプロ棋士になれず、挫折します。それは居場所、自己肯定感を奪われる経験でしたが、強い心で再挑戦し、自分の宿命に立ち向かって行きます。その過程の葛藤や心情を惚れ惚れするぐらい丁寧に表現してくれました。桂介は東明を怨みながらも実は惹かれていくのですが、脚本だけでは上手くいかない要素を見事に演技で成功に導いてくれました。そんな桂介が東明と魂と魂をぶつけ合うシーンは見ものです。男の色気に満ち溢れた、いままで見たことのない坂口さんの新たな代表作が誕生したのではないかと感じています」

-渡辺について

「賭け将棋で生計を立てる真剣師として伝説的な強さだった東明を、渡辺さんが演じてくれたおかげで、脚本をはるかに超える作品に仕上げてくださいました。人間として最低、将棋指しとしては一流、無頼派だが、業深く刹那的で破滅的なのに、何故か憎めない人間的な魅力に溢れる男を見事に演じるというより、生み出して頂きました。準備中から、気さくに様々な意見やアイディアを投げかけてくれ、一緒に東明を作り上げて行く過程が、毎日楽しくて仕方なかったです。東明は継承を残す男ですが、私も渡辺さんから映画精神を継承する素敵な経験をさせて頂きました」

文/スズキヒロシ