2024年5月まで、フェラーリF1でシャルル・ルクレールの担当レースエンジニアを務めていたシャビことシャビエル・マルコスは、キャデラックLMDhスポーツカープロジェクトのテクニカルディレクターとして起用された。
マルコスはHRTやウイリアムズといったF1チームの他、NASCARでもチーフエンジニアとして9年の経験を積んでいた。
ルクレールがザウバーからフェラーリに移籍した2019年以来、マルコスは一貫してルクレールとタッグを組んでいたが、第7戦エミリア・ロマーニャGPを翌週末に控えた2024年5月9日にレースエンジニアから退くことが発表された。
以降はフェラーリ内の「他の重要な企業プログラムの開発」に取り組むとされていたが、キャデラックで新たな挑戦に挑むことになる。
テクニカルディレクターは、キャデラック・レーシングに新設されたふたつの役職のうちのひとつで、1月1日からLMDhプログラム・マネージャーに就いているキーリー・ボスをサポートする。
もうひとつの新役職は、キャデラックのLMDhマシン、Vシリーズ.Rに搭載される5.5リッターV型8気筒エンジンとハイブリッドシステムを担当する推進マネージャーだ。このポジションには、2015年にキャデラックの親会社であるゼネラルモーターズ(GM)に加わったショーン・オシェアが就任した。
彼は以前、LMDhハイブリッド・システムのモーター・ジェネレーター・ユニットを供給するボッシュ・モータースポーツに勤務し、マツダのスポーツカーにおけるディーゼル・レーシング・プログラムに関わっていた。
キーリー・ボスは、LMDhとコルベット・レーシングのGT3プログラムの両方を担当していたGMのスポーツカー・プログラム・マネージャー、ローラ・クラウザーから、LMDhの管理を引き継いだ。
コルベットZ06 GT3.Rプロジェクトのマネージャーについては、イギリスとオーストラリアでツーリングカー・チームを運営するトリプル・エイト・エンジニアリングの共同設立者であるローランドの娘、ジェシカ・デーンが引き継いでいる。
クラウザーと、彼女の下でZ06の開発に携わったクリスティー・バーニュは、GM社内の市販車担当へと異動した。今回の異動は、GMレーシングの経営陣の通常ローテーション、あるいは”撹拌”だと説明されている。