Adobe Photoshopに「ライブ共同編集」機能が登場。プライベートベータプログラムへの登録受け付け開始

アドビは、Adobe Photoshopに新機能「ライブ共同編集」を導入し、Adobe Photoshopデスクトップ版(プライベートベータ版)およびWeb版のプライベートベータプログラムのテストへの登録受け付けを開始した。

「ライブ共同編集」機能は、複数のクリエイターが異なるパソコンやデバイスから同時にドキュメントにアクセスして編集できるようになり、クリエイティブの共有と協業が可能になる。同機能はコミュニティからのフィードバックをもとに実現され、クリエイター、チーム、教育関係者のために、コンテンツ制作の加速、コミュニケーションを効率化、そして、クリエイティブなコラボレーションの向上を実現するとしている。

複数のデザイナーが1つのAdobe Photoshopドキュメント上で同時に作業を行い、作業を分担することで、プロジェクトをより効率的に完成させることができる。また、大企業のクリエイティブチームは、複雑なプロジェクトにおいて、関係者からの意見の収集から、フィードバックへの対応まですべての作業を1つのファイル内で行うことができる。

クリエイターは、クライアントを直接ファイルに招待してコラボレーションし、編集内容を確認したり、コメントを残したりすることで、より直感的なフィードバックが収集可能になる。

学生はAdobe Photoshopで行われる講師のワークフローの実演やテクニックの指導をリアルタイムで追うことができる。講師は、学生のドキュメントにコメントを残したり、編集を提案または直接行ったりすることで、学生の学習効果を高めたり、フィードバックの状況を把握するのに役立つとしている。

「ライブ共同編集」を試してみたい場合は、こちらから登録する。

その他の新機能

Adobe Photoshop は2024年、コミュニティからのフィードバックに基づいて調整、合成、選択、タイポグラフィのワークフローを改善する数多くの新機能を追加した。Adobe Photoshopアプリを最新バージョンにアップデートすることで、最新機能を試すことができる。

削除ツールの「不要な要素の削除」機能

削除ツールの「不要な要素の削除」機能は、背景から電線や人物を自動的に検知して削除し、写真全体の整合性や遠近感、複雑なディテールを損なうことなく生成されたコンテンツに置き換える。この機能により、旅行写真の背景に写り込んだ観光客や、美しい風景を邪魔する厄介な電線など、写真から複数の不要な要素を削除できる。

フォントブラウザの強化

タイポグラフィに焦点を当てたプロジェクトでは、強化されたフォントブラウザが役立つ。Adobe Photoshopアプリに留まったまま、ワークフローを中断せずにクラウド上の30,000以上の無料およびライセンスされたフォントを検索、フィルタリング、ライブプレビューし、使用できる。

フォント名での検索や異なる言語体系の探索が可能になり、デザインの美的要件に合ったフォントを効率的に見つけることができる。さらに、クラウドから新しいフォントを追加すると、すべてのAdobe PhotoshopデバイスおよびAdobe Creative Cloudデスクトップアプリ間で自動的に同期され、シームレスに編集が可能になる。

選択ブラシツール

選択ブラシツールを使用すると、画像の特定の領域をより簡単に、より直感的に選択および調整できる。「不透明度」と「硬さ」の設定を変更することで、さまざまな透明度、ぼかしたエッジなど、よりリアルで微妙な効果を持つ選択範囲を作成できる。選択ブラシは、選択、合成、調整、コンテンツの生成など、さまざまな作業において、より高度なコントロール、柔軟性、直感性を実現するとしている。

最新のAdobe Firefly画像モデルを使用した生成AI

「生成塗りつぶし」、「生成拡張」、「類似を生成」の各機能が最新のAdobe Firefly Imageモデルにより強化された。イメージ精度が大幅に向上し、より複雑な説明を含んだプロンプトが理解できるようになったほか、より豊かなバリエーションが生成できるようになった。

調整ブラシツール

調整ブラシツールを使用すると、画像の特定の部分を変更したい場合に、明るさ、彩度、露出などの調整を、ブラシで塗って適用できる。

カスタム調整プリセット

30種類以上のカスタム調整プリセットから選び、ワンクリックで画像を変更できる。カスタムプリセットを作成して保存すれば、書き出して共有したり、新しいお気に入りを読み込んで使うことができる。

ディテールを向上

ディテールを向上機能により、生成塗りつぶしで作成した画像の鮮明度とディテールを向上させる。既存の画像とシームレスに融合された、より鮮明な結果を得ることができる。

文字ツールでの箇条書きリストと番号付きリストのサポート

文字ツール使って箇条書きリストや番号付きリストをワンクリックで作成できるようになり、手動で繰り返し書式設定を行う必要がなくなった。

ジェイプおよび変形のコンテキストタスクバーの改善

改善されたコンテキストタスクバーには、シェイプや変形の操作やオブジェクトの回転に役立つ一般的な設定が追加され、メニューを何度も開く手間を省いて作業効率を向上させることができる。

OpenColorIO (OCIO) サポートと32ビットHDRワークフロー

Adobe Photoshopデスクトップ版がOCIOに対応し、異なるアプリケーションを横断してカラーワークフローをより高品質に制御、変換、保持できるようになった。32ビットHDR画像と互換性を持つAdobe Photoshopツールが増加し、画像の忠実度と色精度が低下する16ビットや8ビットに変換することなく、一般的なワークフローを完了できるようになった。

ベトナム語とインドネシア語の言語サポート

Adobe Photoshopは、新たにインドネシア語とベトナム語のUI言語サポートを提供する。