多くの方は『NAS』という言葉は知っていても、自分で買おうとは思っていないに違いない。実は筆者もそうだった。しかし、使ってみると手放せない存在になりそうな予感がした。NASといえば、パソコンに超詳しい人が使うものだし、今はクラウドサービスもあるから要らない……筆者はそう思っていた。NASといえば、Synologyや、QNAP、国産でいえばBuffaloのものが定番。しかし、新たに作られたUGREENのNASは、根本から設計しなおされており、今の時代に使いやすくなっているという。
クラウドファンディングに先駆けて、UGREENのNASを長期でお借りできたので、これから何回かにわけて、UGREEN NASync DXP4800 Plusの導入レポートをお届けしよう。
米クラファンで10億円を集めたUGREENのNASync、日本上陸!
2025年01月15日
UGREEN NAS公式サイト
https://nas.ugreen.jp/pages/ugreen-nas-preorder-email-signup
誰にでもわかる『NASとは何か?』『なぜNASが必要か?』
まず、NASとはなんぞやというお話をしよう。私も知らなかったので、最近勉強したものだ。
NASは、Network Attached Storageの略、つまりネットに接続したストレージっていうことだ。
みなさん、外付けHDDやSSDはお使いになったことがあると思う。これらはUSBケーブルで接続すると認識されて、パソコンからドライブとして認識されるものが多い。
対して、NASは、その名の通りネットワークに接続する。有線で接続するならLANケーブルで。無線ならWi-Fiで繋がるというわけだ。自宅や会社のネットワークにぶら下がっており、必要に応じて、インターネット経由で接続できる。つまり、家にあるデータに外からでも接続できる。ここがポイントだ。
今回のUGREEN NASyncもそうだが、複数のHDDドライブをRAIDとして利用することが多い。RAIDというのは複数のドライブを組み合わせて作ることで冗長性を向上させる……つまり、ひとつやふたつのHDDが壊れてもデータを失わないようにする仕組みを作るということだ。
そのために、NASは自身を制御するチップやメモリーを持っており、特に今回のUGREEN NASyncは、独立したコンピュータのように動作する。つまり、Apple TVのように、これ単体で、ストレージの中の画像を表示したり、動画や音楽を再生したりできる。さらに、イマっぽく、AIも動作するので、画像を認識したり、将来的にはデータのタグを生成したりもするようだ。データの検索、整理整頓も便利になりそう。
SDカードスロットや、USBポートもあるので、そこからデータを取り込んだりもできるし、何やら底面にリッドがあって、そこからメモリを増強したり、SSDを搭載して処理速度を向上したりもできるようだ。
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NASの『筆者的ユースケース』
筆者的には、お借りしたもののの、何に使うかはけっこう悩ましく感じた。
なにしろ、現状で間に合うように環境は構築してある。データは外付けHDDやSSDにデータは保存してあるし、写真などは6TB契約のiCloudで家族4人の写真を共有しているので、何も不自由はない。著作権的にiTunesから切り離された音楽や映画も持っていないし、Ubuntuなど他のOSを動かす必要もない。たぶん、私にはNASは要らない……と思っていたのだ。
製品サイトで紹介される機能は多分、あまり要らない。写真はこれまで通りiCloudで家族と共用するだろうし(30万枚以上の写真をいまさら移動させる気にはなれない)、音楽や映画をNASから見ることもないと思う。主な仕事データは、端末に保存してあるもので事足りると思う。
では、何に必要なのか?
ここ、数日、UGREEN NASyncを触ってみながら考えたのだが、筆者の利用法は以下の5点になると思う。
・Time Machineのドライブ——Mac本体のTime Machineとして使えるらしい。これまで2TBのMacのバックアップを2TBのSSDに取っていたので実は限界だった。一般に倍の容量は必要なはずなので4TBはこれに充てたい。
・RAW撮影のストレージ——今まで取材は基本的にjpegで撮っていた。RAWで撮らなかったのは、iCloudを圧迫したくないからだ。しかし、画像をシビアに制御したいならRAWで撮れた方がいいはずだ。暗い場所や、色温度が難しいところ、黒いものや、白いもの、そして人物写真など、微妙な調整を行ないたい撮影をRAWでできるメリットはある。
・動画撮影のストレージ——これまで、iPhoneにしても、他のカメラにしても、iCloudを圧迫しないように、動画はとても抑圧的に撮ってきた。NASがあれば、思う存分撮影できるはずだ。
・各所に散らばった仕事データの一括保存——仕事のデータで本体に入らないものは、分散してHDDに保存してある。それを一括して保存したい。古いHDDはすでに固着して動作しないものもある。できればそれも救出して管理したい。
・写真.appのバックアップ——何より大切なのは家族の写真。iCloudに入れて安心してはいるが、可能であればまとめてローカルにバックアップも取っておきたい(これには気になる点もあるが、それはまた後日)
クラウドドライブのバックアップも取れるらしいので(現状、OneDriveとしか連携してないが、将来的には他社のもできるようになる模様)、Dropbox、Googleドライブと連携させてバックアップを取ってもいいかもしれないし、逆にデータをNASに移動して、それらを解約、サブスク費用を抑制してもいいかもしれない。