錦織圭は全豪2回戦で敗退…。世界11位から第1セットを先取するも力尽きる<SMASH>

 テニス四大大会「全豪オープン」は大会4日目の現地1月15日に男子シングルス2回戦が行なわれ、度重なるケガからの完全復活を期す元世界ランク4位の錦織圭(現76位)が登場。第12シードのトミー・ポール(アメリカ/同11位)と対戦したが、7-6(3)、0-6、3-6、1-6で敗れ、残念ながら3回戦進出はならなかった。

 2025年シーズン初戦の「香港オープン」(ATP250)で準優勝を飾った35歳の錦織は、4年ぶりの出場となった全豪にプロテクトランキング(負傷離脱前の順位でエントリーできる救済措置)で参戦。1回戦では予選勝者のチアゴ・モンテーロ(ブラジル/105位)に4-6、6-7(4)、7-5、6-2、6-3と4時間超えの死闘の末に大逆転勝利を収めて初戦突破を果たしていた。

 そんな錦織の2回戦の相手は23年の全豪で四大大会初のベスト4進出を経験している27歳のポール。前哨戦の「アデレード国際」(ATP250)では4強入りし、世界ランキングでもキャリア初のトップ10入りが目前に迫っている実力者だ。両者は17年8月の「シティ・オープン」(ハード/ATP500)準々決勝で1度だけ対戦しており、この時は錦織がポールに3-6、7-6 (8)、6-4で勝利していた。

 試合は雨の影響で予定時刻より大幅に遅れて始まり、両者が互角の打ち合いを繰り広げる。錦織はネットプレーを織り交ぜたアグレッシブな攻撃で2度のブレークを奪うも追いつかれ、第1セットからタイブレークに突入。ここでも互いに一歩も譲らない緊迫の展開となったが、3-3で迎えた7ポイント目で錦織がボディサービスにうまく対応して値千金のミニブレークを奪取。65分にも及ぶ接戦を制して1セットアップとした。
  第2セットはポールの攻撃的なショットに苦戦し、1ゲームも奪えずにセットオールとされた錦織。第3セットも相手に先に攻められ、0-4とリードを許す苦しい展開となる。だが第5ゲームで意地を見せて1つブレークを返すと徐々に流れは錦織に。

 ポールの集中力が落ちてきたところで一気に攻勢を強め、2度目のブレークを奪ってゲームをイーブンに戻す。しかしもつれにもつれた直後の第8ゲームをキープしきれず、セットカウント1-2と窮地に立たされた。

 第4セットでは錦織の攻めのショットがことごとく跳ね返され、打開策を見出せないまま3度のブレークを献上して万事休す。2時間41分でポールに約7年半越しのリベンジを許した。

 年明けから好調を維持していた錦織にとっては2回戦敗退という結果は物足りなさを感じてしまうかもしれないが、持ち前の広角に打ち分けるストロークを軸に見せ場は十分に作ってくれた。モンテーロ戦では変わらぬ勝負強さを発揮し、大会を通じてのパフォーマンスは今後に期待を持てる内容だったのではないだろうか。完全復活への挑戦は続いていく。

文●中村光佑

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【画像】錦織圭の「全豪オープン2025」1&2回戦激闘フォトギャラリ―

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