・担当者に聞いてみた
そこで本当の経緯を改めて確認するため、新千歳空港に問い合わせてみたところ、担当者の方に話を聞くことができた。北海道エアポート株式会社新千歳空港ディテール部のヒワタリさん曰く、「特段寿司の問い合わせが多いわけではない」という。え? じゃあ、なぜあの案内が設置されたんですか?
ヒワタリさん「まず、案内を書いている理由については、空港の搭乗待合所全体が半円になっていて見通しが悪く、どこに何があるかや距離感が分からないためです。その上で、『すし』と書いている理由についてですが……」
ヒワタリさん「これはできるだけそこにあるモノを分かりやすく書こうとした結果です。『フード』と書いた場合、色んな種類が想定できますよね? 例えば、ラーメンかもしれないし、そばかもしれない。
でも、ラーメンが嫌いな人が何があるか漠然としたまま案内の場所に行ってラーメン店だった場合、時間の無駄になってしまいます。搭乗待合所は時間がない場合も多いので、より具体的に記載することでそういうケースを防ぎたかったんです」
──では、寿司が特別に案内されているように見えるのは、たまたま近くにあったのが寿司店だったからということですか?
ヒワタリさん「そうですね。そういうことになります」
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・ホスピタリティ
北海道の玄関口というイメージから勝手に「さすが」と納得してしまったが、記載の経緯が想像していたものと全然違う。その案内には安易に想像したものよりも一段考えられた理由があった。
そして、そう聞くと『すしまで60m→→』の案内には、面白みよりもホスピタリティを感じる。客の状況を想定して一歩先の記載がされているこの案内。当初想定していた理由以上に新千歳空港に「さすが」と思わされたのであった。