ガンダム史上最大級の機体として知られるデンドロビウム。全長140mという規格外のサイズと独特の機体名は、30年以上たったいまでも多くのファンの記憶に刻まれています。しかし最近、その名前をめぐる思わぬ勘違いがSNSで話題に。実は知られざる由来が隠されていたのです。



「HGUC 1/144 RX-78GP03 ガンダムGP03 デンドロビウム(機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY)」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

【画像】えっ、これが元ネタ? こちらが「ガンダム デンドロビウム」の名前の由来です(4枚)

ガンダムの話と勘違い…なぜ?

 最近、あるツイートが話題を呼んでいました。農協での出来事を描いたもので、「デンドロビウム」について話す農家と職員の会話を耳にした人が、てっきり「ガンダム」の話をしているのかと勘違いしてしまう様子が描かれていました。「デンドロビウム」はガンダムシリーズに登場する人気機体の名前なのですが、実は園芸にも深い関わりがあるのです。

 1991年から92年にかけて発表されたOVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するデンドロビウムは、ガンダム試作3号機のコードネームです。ガンダム開発計画によって試作された、実験用ガンダムタイプMS搭載のMAとして設計されました。

 この機体の最大の特徴は、その圧倒的なサイズ感。 砲身を含めた全長約140mという超巨大な機体は、『機動戦士ガンダム』のビグ・ザム(全高約59.6m)の2倍以上もの大きさを誇ります。

 そして、この巨大機動兵器に付けられた「デンドロビウム」という名前は、実はラン科の花に由来しています。さらに興味深いことに、その花言葉は「わがままな美女」。巨大な武器庫となっているアームド・ベース・オーキスや、強大なビーム砲、通常のビーム兵器を無効化するIフィールド・ジェネレータなど、圧倒的な武装を誇る姿は、まさにその花言葉にふさわしいといえるかもしれません。

 30年以上前の作品ながら、いま見ても驚かされるような圧倒的な作画クオリティで描かれたデンドロビウムの活躍は、多くのファンの心をつかんで離しません。2023年に実施された投票企画「HGUC決戦投票2023 受注生産特別企画」では、プラモデル「HGUC 1/144 ガンダムGP03 デンドロビウム」が1位に選ばれるなど、いまなお高い人気を誇っています。

 ガンダムと園芸、まったく異なるふたつの世界で親しまれている「デンドロビウム」という名前。優美な蘭の名を持ちながら圧倒的な存在感を放つこの機体は、30年以上の時を経たいまでも、多くのファンを魅了し続けているようです。