吉本芸人の相次ぐ「オンラインカジノ」問題。M-1王者令和ロマンをはじめ、ダイタクや9番街レトロなど劇場の人気者たちが次々と活動自粛に追い込まれても、話題は鎮火することなくまだまだ燃え盛っている。 か...

不祥事を笑いに変える芸人の強み



くるまの不倫報道については否定(C)日刊ゲンダイ

 これからは「女や金にだらしないクズ」もブランディングとして管理しながら、ボーダーを守って行動していく必要がありそうだ。ギャンブルも女遊びも芸人の特権だったが、M-1を連覇した偉業を持ってさえしても謹慎を食らってしまう世の中になった。

 令和ロマンや他の謹慎している芸人たちのファンはきっと生きた心地がしないだろうが、部外者の僕から見ても解雇される可能性はほぼ0だと思う。どちらかと言えば、責任を感じた芸人から申し出てフリーになる可能性の方がまだありそうだ。

 この問題が起こってから、仲間の芸人たちが謹慎芸人たちを大いにイジっている姿をよく目にする。それは該当芸人たちに「悪人」イメージをつけないように、「復帰してもこうやっていじって面白くするから、彼らを排除しないでください」と奔走しているのだ。

 不祥事を起こした芸人がタブー視されることで復帰できなくなる選択肢を全力でかき消そうと連携プレーで動けるところは、芸人の強みだと思う。

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芸人は他芸人の大失敗から学ぶ生き物

 とはいえ、吉本は闇営業事件から厳しくコンプライアンス研修をやっているが、全く効果がないのはちょっと皮肉に感じてしまう。

 しかし、芸人は他の芸人の失敗から学ぶので、今後は同じような問題は起こらないと思う。芸人という生き物は何百回のコンプラ研修より、1回の他芸人の大失敗から学ぶ生き物だからだ。

 芸人はこれからは汚いように見せながらも潔白にやっていく必要があるらしい。いま謹慎中の芸人たちも皆とてつもなく面白くて才能があり、これからのお笑い界を担う人材ばかりなので、反省したうえでまた劇場に戻ってきてほしい。

(帽子田/芸人、ライター)