寒暖差が激しい季節は、いつもと同じように睡眠時間を確保したつもりでも、なんだか疲れてしまいがち。そんな「寒暖差疲労」を「毎年のことだから」「気候が安定したら治るから」と放置していないでしょうか。寒暖差疲労を甘く見ると、大きな支障を招く恐れがあります。 この記事では寒暖差疲労の原因や症状、放置するリスクを紹介します。そのうえで、寒暖差疲労への対処法を紹介するので、季節の変わり目に疲労感を覚えた際の参考にしてください。


【えりのボスの「あと半歩で幸せ」】





“三寒四温”に負けるな(漫画:腹肉ツヤ子)

1. 寒暖差が厳しい季節。なんだか疲れて…

 今回は、チヒロさん(35歳/仮名)からのご相談です。

「なんか、最近からだが重いんですよね…」

「あら…大丈夫? 忙しい時期だし、疲れているのかしら…」

「そう思って、就寝時間を早めたり栄養バランスに気を配ってサプリを飲んだりしているんですけど、どうにも改善しなくて…」

 なんとなく気持ちも落ち込みがちなんです…とため息をつくチヒロさん。その顔色は確かに悪く、体調がすぐれないようです。

「でも、これからの時期は忙しいんです。子どもも小学校に入学しますし、夫も私も部署異動があるし、実家のリフォームの手伝いもあって…。疲れがたまっているとはいえ、寝込んでいる暇はありません!」

 現時点でもかなり疲れている様子なのに、まだまだ無理をして頑張ろうとしているチヒロさん。

 これは放っておけません!

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2. 寒暖差疲労の原因や症状



寒暖差がつらい…(写真:iStock)

「チヒロさんの疲れの原因は、寒暖差疲労かもしれないわ」

「え…? 寒暖差はわかりますけど、寒暖差疲労、って…?」

 初めて聞く言葉にキョトンとするチヒロさん。そんな彼女に、えりのボスは優しく説明します。

「寒暖差疲労は季節の変わり目や日中と夜の寒暖差が激しい時期に、からだが気温の変化についていけずに疲労や体調不良を感じる状態を意味する言葉よ。前日との気温差、あるいは1日の最低気温と最高気温の差が7度以上あると起こりやすくなるといわれているわ」

「…確かに。最近は毎日最高気温も大きく変わりますし、1日のなかでの気温差も大きいですよね。でも、気温差だけでそんなに疲れるものなんですか?」

 不思議そうな顔で聞いてくるチヒロさんに、えりのボスは重々しく頷きます。

「単なる気温差と侮るなかれ、よ。気温差が大きくなると自律神経が乱れやすくなって、体温調節がうまくできなくなるわ。その他にも、睡眠時間を確保していても眠りの質が悪くて寝ても疲れがとれなかったり、食欲不振になったり、便秘や下痢になったり、免疫力が下がって風邪をひきやすくなったりするなど、自律神経が乱れることでいろいろな支障が出るのよ」

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放置しないで!(写真:iStock)

 えりのボスの説明を聞き、チヒロさんは困った顔をします。

「なるほど…寒暖差疲労って、甘く見ちゃいけないんですね。季節の変わり目は風邪を引きやすいっていいますもんね。…でも、寒暖差が原因でそういう不調が出るのなら、暖かくなって気候が安定したら疲労感やダルさもなくなりますよね? それなら、もう少し我慢すればいいのでは…?」

「甘いわよ、チヒロさん」

「…え?」

「寒暖差疲労を甘く見て、放置するのはおすすめしないわ。寒暖差疲労を放置するリスクや対処法も、しっかり説明するわね」

「お、お願いします…!」