米軍基地で妙に口ごもる兵士が…→スタッフとして不正を見逃す事はできません!【米軍基地で働いてみた(94)】

米軍基地で妙に口ごもる兵士が…→スタッフとして不正を見逃す事はできません!【米軍基地で働いてみた(94)】

(前回の続き)米軍基地のジムで不定期で、景品などが貰えるスポーツイベントがありました。

その中でも兵士達に人気なのが「300」と呼ばれる「300ポンド(約136kg)」をベンチプレスであげられるかどうかというシンプルな競技。

達成者には記念の非売品Tシャツが贈られ、ジムに名前と写真も飾られるので、憧れの的でした。

ある朝、出勤すると「今日300達成者がTシャツ受け取りに来ます」というメモがカウンターに貼ってあったのですが、ちょうどそこへ1人の兵士がやって来ました。

そして、「Excuse me!…Ah…300.」と言うので、「あら!あるわよ!」と答えました。
出勤直後に仕事が片付いてラッキー!と思いながら、「お名前は?」と私が聞くと同時に兵士も「名前は?」と私に聞いてきたのです。

え、どういう事?と戸惑っていると、「名前を教えて欲しい…確認したいから…」と言うではありませんか…。なんだか雲行きが怪しくなってきました。

米軍基地で妙に口ごもる兵士が…→スタッフとして不正を見逃す事はできません!【米軍基地で働いてみた(94)】

私が、「名前はMichaelよ。」とファーストネームだけを伝えると「Yes!Yes!I’m Michael!」と前のめりで即答するので、「OK!よかった!ではLast name&ID Please?」とすかざす苗字とIDを要求するとモゴモゴし始める兵士…。

そして「IDは部屋に置いてきた。」「部屋まで遠いから取りに行けない。」などなど、苗字も言わないのに中々引き下がりません。

そんなところに偶然ジムのスポーツコーディネーターが現れて「どうしたんだい?」と話しかけてきたのですが、彼を見た兵士は一目散にジムから飛び出していったのです。

私が呆気に取られながら何が起きたか説明すると「きっと300で失敗した兵士だな!」との事。
きっと一緒に挑戦して成功した他の兵士がTシャツの引き取りについて話をしているのを盗み聞きしたのでしょう…。

それほど欲しいならトレーニングしてもう一回チャレンジすればいいのに…なんて思いながらしばらく時間が過ぎ、ふと顔を上げると今朝の自称Michaelがいるじゃないですか!

目が合ったので思わず「あなた…」と口に出すと、「さっきはごめん!「300」Tシャツを売って欲しいんだ!」と言い出したのです。
ですが、これは非売品。お断りすると「Come on!お金は払うって!」と言いますが、そういう問題ではありません。

なかなか引き下がらないので、「何故そんなに欲しいの?」と、聞くと「来週には部隊が移動するから再挑戦できないんだ。しかも既に恋人に成功したって言っちゃったんだよ。」と何とも身勝手な言い訳…。

「じゃあ見せて!ちょっと着てみるだけだから…」と言い出しますが兵士は汗だくです。あわよくば試着して、汗で汚れたからを口実に買い取る魂胆でしょうか…。

結局、押し問答の末やっと諦めた彼がションボリ帰って行った後ろ姿は、なぜか私の記憶に強く残っているのでした。

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