
中居正広氏 (C)週刊実話Web
自局の幹部社員が女子アナを性上納した疑惑を報じられたフジテレビと、その女性トラブルで芸能界を引退した元SMAPのリーダー・中居正広氏のスキャンダルは社会に大きな衝撃を与えた。
コンプライアンス全盛の現代、男側が非難されるのは仕方ないことなのだろう。
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ただ、オールドメディアの記者としてプロ野球のスター選手や女子アナ、芸能人の生態をつぶさに見てきた筆者にとって、フジテレビと中居氏のスキャンダルは別段珍しい話ではなかった。
昭和の時代、スター選手と浮名を流して名前を売りたい女子アナや芸能人は自ら枕営業を仕掛けていたからだ。
実際、高額年俸のスター選手はよくモテた。
嫌がる相手を無理矢理というケースはなく、いわば対等な大人の男女の駆け引きで、女子アナも玉の輿狙いや自身がのし上がるための手段としてスター選手と積極的に関係を持ちたがっていた。
例えば、球団監督も務めたHなどは本当に女子アナによくモテた。
NHKと深いパイプのあった関係から親しかった同局のプロデューサーの紹介で知り合った女子アナFと付き合っていたのは有名な話で、FはHらの後押しでプロ野球関連の仕事で頻繁に起用されるなど優遇されていた。
Hが何かと目をかけてかわいがっていたNHKアナのUとの関係も知る人ぞ知る話だった。
「この頃のHは糖尿や心臓に持病があって男の機能が弱っていたので、大人のオモチャを使っていました。静岡県・浜松にある某政治家の別荘に泊まった際には、楽しむためのオモチャをわざわざ運ばされましたからね」(Hと親しかったメディア関係者)
結局、HはFとUの2人と別れてしまったが、ウイン・ウインの男女関係だったはずだ。
昭和から平成にかけてのプロ野球中継はドル箱で、試合を中継する民放各局のアナウンサーも熱心に現場取材をしていた。
そこで筆者と知り合ったのが、TBSの男性アナウンサーのMだった。
そのMが当時、人気球団のスター選手だったTとの食事会を企画したことがあり、そこに連れられてやって来たのが女優やタレントとして活躍したOだった。
当時はフリーとしてTBSの番組のアシスタントを務めており、一般的な知名度はまだそれほど高くなかった。
Oはこの食事会をきっかけにTといい仲になったのだが、Oのほうから積極的にアプローチしていたことは間違いない。
「食事会にも無理やり誘ったわけではなく、Oから『ぜひ紹介してください』という感じでした。Oは独身でしたが、Tは結婚しており、これはOも承知の上だった。恋愛や結婚が目的ではなく、とにかく有名選手とのコネクションを作りたかったんでしょう」(消息筋)
ほどなくしてOは有名な情報番組やバラエティーにも次々と出演するようになり、最終的には女優となった。
持ちつ持たれつ大人の交際?
後にそんな姿を見たMは筆者にこう言っていたものだ。
「Oは最初からTを踏み台にする気満々だったよ。Tは『あの子は床上手だよ』なんて感じだったけど、付き合ったおかげで随分とテレビ局や芸能界の人脈を紹介してもらったからね」
まだネットも普及していなかった時代、テレビ界でのし上がって生き残るには自力でチャンスを掴み取る必要があったのだ。
意外かもしれないが、昭和の時代はプロ野球選手と女子アナの熱愛が表面化することはあまりなかった。
報道が増えたのは89年の平成に入ってからで、これはバブル時の各テレビ局が女子アナのタレント化を進めたことと無関係ではない。
プロ野球選手たちの遊び方が変わったのもこの頃だ。
黄金時代の西武ライオンズの若手選手たちを筆頭に銀座よりも六本木でスマートに飲む若手が増え、芸能人との派手な交流も増えた。
プロ野球選手はそれまでの強面のイメージから若くして大金を稼ぐバブリーな成功者となった。
「当時のテレビ局には人気選手に女子アナを斡旋する人物が必ずいました。付き合うと今度は写真誌などに売り込むんです。メディアに取り上げられれば、その女子アナの知名度が上がり、視聴率につながるというわけです。選手たちには変なトラブルに巻き込まれないよう注意したものです」
こう教えてくれたのはヤクルトの元球団幹部だ。
当時、野村克也監督のID野球で日本一になったヤクルトの若手選手たちは、球団と提携していたフジテレビの女子アナたちの標的になっていた。
プロ野球ニュースのキャスターだった中井美穂が古田敦也と、木佐彩子が石井一久と結婚したのはよく知られている。
プロ野球選手を狙っていたのは女子アナだけではない。
一例を挙げれば、在京球団のSは大物歌手・Mを愛人にしており、「あいつがヒット曲を出せたのは俺が1年間の年俸をすべてつぎ込んでレコードを買い込んだからだ」と筆者に豪語していたことがある。
多数のフリーアナウンサーを抱え、自らもタレントとして活動してきた芸能プロのI社長は「私も枕営業に乗ってくる女子アナはたくさん見てきました。男が女性側の要求を了解したうえで成立する持ちつ持たれつの関係は、一方的に男が悪いとは思わない」と時代の変化を嘆いていた。
中居氏の女性スキャンダルは“昭和の延長戦”のような気がしてならない。
「週刊実話」3月27日号より