
何を隠そう、私(佐藤)はその昔、タイレストランで働いていた。あのお店で食べた賄(まかな)いのグリーンカレーがウマかったんだけど、それと同じとは言わないまでも、それに近い味のタイ料理のお店を探していたけど、これがなかなかない。もはや、過去の思い出として心にしまっておくべきなのか……。
お店を離れて早20年、思わぬところであの美味しさに近い店を発見しちゃった! 意外にもそれは新宿にあり、JR新宿駅東口から徒歩2分という好立地にあった。しかも安い!
そのお店「たいてん屋」は美味いと安いを兼ね備えた、コストパフォーマンスに優れたお店なのである! あえて言おう、マジでおすすめであると!
・あのグリーンカレーの味を求めて…
私がその昔勤めていたお店は、青山の名店として知られるタイレストランである。すでに閉店してしまったのだが、1980年代に本格タイ料理を日本に持ち込んだ、エスニックの “走り” だ。
勤めている間に、高頻度でまかないに登場していたグリーンカレー。私の舌はすっかりその味に慣らされてしまい、タイ料理のなかでもグリーンカレーだけにうるさい男になってしまった。ココナッツの甘さが強く、ピッキーヌ(唐辛子)のアクセントが絶妙で、ひと口食べるとクセになる。それを腹いっぱい食わせてくれたあの店は、本当に良い職場だった……。
また食べたいと思うけど、すでにお店はない。それに近い味を求めて、タイ料理店ではグリーンカレーを頼んでみるけど、どこも微妙に違うんだよなあ~。全然見つからないので、あの味を探すのを諦めてしまった。
そんなある日のこと、新宿駅東口から徒歩約2分のところで「タイカレーハウス」と掲げられたお店を発見。こんなところにカレー屋があったとは。タイカレーを売りにするとは渋い。
メニューを見ると、どれも安い! グリーン・ホワイト・レッドの3種のカレーはレギュラーがそれぞれ税込490円。ガパオが税込540円でパッタイは税込650円となっている。ファストフード価格じゃないか!
お店のInstagramを見てみると「本格タイ料理をもっと手軽に」と紹介されている。価格はたしかに「手軽」だ。500円で釣りが来るなんて、かなり良心的。はたして「本格的」かどうか?
さっそくグリーンカレーのボタンを押すと、続いて辛さとライスの量を選ぶことができる。
辛さは「辛くない」「普通」「中辛」「辛口」の4段階。辛味が苦手な私にとって、「辛くない」という選択肢があるのはうれしい。でも、少しは辛味がほしいので、今回は普通にしてみましょう。
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・500円以下!?
お店はセルフサービスで、食券を買うと厨房にオーダーが通る仕組みだ。そして料理ができると「○番の方~」と呼ばれるので、カウンターに取りに行く。
さて、このお店のグリーンカレーはこちらです。
ぶっちゃけ500円以下だからもっと少ないと思っていたけど、1食分としての量はちゃんと保たれている。それからナス・しめじ・鶏肉などの具材も入ってて安心した。今日日(きょうび)、500円でランチが食えるお店は貴重なので、警戒しちゃうんだよね。しょぼかったらどうしようって。
味はというと「本格的」と自称するだけあって、ココナッツの甘さが強く、味に深みもある。ほどよく辛味のアクセントが効いていて、あの懐かしのまかないカレーを想起させてくれる。
あった! ここにあの味に近いカレーがあったよ。
こりゃ良い店を見つけてしまった。タイカレーを食いたくなったら、ここに来るしかないな。
余談だが、カレーの器にもひと工夫が隠されている。食べ終えた器をお見せして恐縮だが、片側に向かって傾斜がついているののだ。スプーンで全部キレイにすくえるので、この器はすべてのカレーのお店に導入すべきじゃないかな。