
岸井ゆきの、宮沢氷魚のW主演で贈る“夫婦”をテーマにオリジナル作品、映画『佐藤さんと佐藤さん』が2025年秋に公開される。

メガホンをとるのは、大学卒業後に会社員を経験後、2009年に映画制作を開始した天野千尋監督。短編『さよならマフラー』がシネアスト・オーガニゼーション大阪にて上映され、 続く中編『費ヲナゲロ』はぴあフィルムフェスティバルに入選。初オリジナル長編映画『ミセス・ノイズィ』では隣人との危うい関係という社会問題をシニカルな笑いで包み、高評価を得た。
そんな天野監督が今回選んだテーマは、夫婦。“佐藤さん”同士が交際、結婚、出産を経て紡がれた「夫婦」のカタチとは。


【コメント】
▼天野千尋(監督・脚本)
本作で描かれる15年間で、ふたりの佐藤さんはゆっくりと変化していきます。子供から大人になり、社会に出て、それぞれの立場で役割を担っていく。ひとりは弁護士に、ひとりは主夫に。立場が違うと、眺める世界もちょっとずつズレてくる。そのうち相手の目にいったい何が映っているのかわからなくなる。理解できないと怒ったり、憎んだり、切り捨てたりする。佐藤さんに限らず、これは社会の中で生きる私たち誰もが経験することです。「他者」をどう理解するか、どう折り合いをつけていくかを、私たちはずっと考え続けなければならないと思っています。
▼岸井ゆきの
どうして分かり合いたい人とこそすれ違い、分かち合いたいことも、ほんとは楽しいはずの会話も、余計なひと言や不要な思いやりによって手のひらからすり抜けていくのだろう。私には夫婦の”普通”が分からないけど、家族というのはあまりにも普遍的で、それぞれがあまりにも特別なのだと思う。佐藤さんと佐藤さんの激しくて楽しくて切なくて嬉しい数年間の記録が、どこかであなたの人生と重なりますように。そして、見逃しそうな幸せをどうか見逃しませんように!
▼宮沢氷魚
初めて脚本を拝読した時からニ人の佐藤さんの関係がどこかシュールで、でもリアリティに満ち溢れていて引き込まれました。岸井さんとは初めての共演でしたがとてもチャーミングな方で、撮影初日からお互い心を開いて、タモツとサチをしっかりと演じられたと思います。天野さんはとても柔軟な方で、スタッフや役者と意見を交換しながら撮影を進められたので、共に作り上げた感覚がとても強いです。夫婦であっても、苗字が同じでも、やはり他人同士。そんな二人の歩む人生をぜひご覧頂ければと思います。

映画『佐藤さんと佐藤さん』は、2025年秋 全国ロードショー。
作品情報

映画『佐藤さんと佐藤さん』
佐藤サチは、ダンス好きの活発なアウトドア派。佐藤タモツは、正義感の強い真面目なインドア派 。正反対な性格だがなぜか気が合い、程なくして付き合い同棲を始める。そして5年後。弁護士を夢見るタモツは、司法試験を受けるが不合格が続く。しかし諦めずまた挑戦したいというタモツを応援するサチ。 会社員として働いていたサチは、 一人孤独に頑張るタモツを助けようと、一緒に勉強をはじめる。数年経ってもタモツは相変わらず不合格だった一方、サチが司法試験に受かってしまう。申し訳ない気持ちのサチと、プライドがズタズタのタモツ。そんな中、サチの妊娠が発覚。ふたりは結婚することになる。産後すぐに、弁護士として働き出し忙しい毎日を過ごすサチに対し、タモツは、塾講師のアルバイトをしながら家で息子の世話、その片手間に司法試験の勉強をしているので全く集中できずにいた。そんな生活の中、忙しいサチが息子の支度を忘れたり、家でのだらしない姿にタモツはイライラが募る。 育児に対する考え方も全く違うふたりは対立し、次第に絶妙に保たれていたはずのバランスが崩れ始めて‥‥。
監督:天野千尋
出演:岸井ゆきの、宮沢氷魚
配給:ポニーキャニオン
©2025「佐藤さんと佐藤さん」製作委員会
2025年秋 全国ロードショー