
この画像は、アメリカのファイアフライ・エアロスペース社の月着陸機「ブルーゴースト」が撮影したもので、空に三日月状の地球が見えています。現地での日没時に撮影された画像です。
ファイアフライ・エアロスペース社は3月17日、ブルーゴーストがミッション目標を100%達成したと発表しました。ブルーゴーストは3月2日に月面へ着陸し、14日間以上(346時間)に及ぶ月面での作業を実施してきました。月面では約14日間ごとに昼と夜を繰り返しますが、昼間のほぼ全ての期間でミッションを行ったことになります。
ブルーゴーストは、NASA(アメリカ航空宇宙局)のCLPS(Commercial Lunar Payload Services、商業月面輸送サービス)の一環で打ち上げられました。CLPSは、NASAが観測機器などの小型ペイロードの月面への輸送サービスを、民間企業に有償で委ねるものです。ブルーゴーストには、NASAの10のペイロードが搭載されています。ミッション全体を通じて51ギガバイトの科学技術データを含む119ギガバイトのデータを地球に送信したとのことです。
ブルーゴーストは、3月14日には月面からの皆既日食の画像を撮影しました。これは地球から見る日食とは異なり、地球が太陽を隠すものでした。
3月16日には日没時の画像も撮影しました。これは、かつてアポロ17号の宇宙飛行士ユージン・サーナンが観測した、日の出時や日没時に月の地平線付近が明るくなる「Lunar Horizon Glow(月の地平線の輝き)」と呼ばれる現象に関するデータを取得することが目的でした。ブルーゴーストは日没後も5時間稼働し、画像の撮影に成功しました。その成果については別の記事で紹介予定です。

こちらは冒頭の画像とは反対方向を映したものです。機体の影が長く伸びています。
(参考)「ブルーゴースト」記事一覧
Image Credit: Firefly Aerospace
(参照)Firefly Aerospace