
日本代表の8大会連続ワールドカップ出場のかかる大一番・バーレーン戦が3月20日、埼玉スタジアム2002で行なわれる。
“聖地”で勝って本大会行きを決めるとなれば、2018年ロシアW杯への切符を掴んだ17年8月のサウジアラビア戦以来となる。8年前はまだ若手だった浅野拓磨(マジョルカ)と井手口陽介(神戸)がゴールを挙げて勝ち切ったが、今回もフレッシュな選手にゴールを奪ってほしいものである。
森保一監督は上田綺世(フェイエノールト)、南野拓実(モナコ)、三笘薫(ブライトン)、堂安律(フライブルク)ら“ガチメンバー”で挑むはずだが、バーレーンも長期合宿かつ早期来日で日本対策を徹底している。早い時間帯に点が取れればスッキリ勝てるだろうが、必ずしもそうなるとは限らない。
そういう時こそ、切り札の力が必要になる。ご存じの通り、今回の最終予選では、伊東純也と中村敬斗(ともにスタッド・ドゥ・ランス)のコンビはジョーカー起用がメイン。途中出場でゴールを量産している点取り屋の小川航基(NEC)が今シリーズは怪我で招集外ということもあり、2人に課せられるタスクはより大きくなりそうだ。
「今回の予選では、前回と違って後半から出たりと役割が変わっているんで、流れを変えたりはしないといけないと思います」と伊東自身も言う。所属クラブでは直近16日のブレスト戦で控えに回り、64分から登場。「チームが勝っていないなかで何かを変えないといけないというところで、いろいろ試している段階だと思います」と本人も模索の真っ只中だという。
その途中出場経験も代表戦の良い予行練習になったのではないか。バーレーン戦ではおそらく堂安と代わって右ウイングバックに入ることになるだろうが、そこでゴールに直結する仕事を果たせれば、伊東自身も浮上のきっかけを掴めるはず。最近は不調という見方もされているだけに、ネガティブな評価を覆すべき。この代表シリーズを苦境打開の起爆剤にしてほしい。
一方の中村は今季24試合中22試合で先発。ゴール自体は1月25日のパリ・サンジェルマン戦から遠ざかっているものの、ここまでリーグ通算8得点というのは称賛に値する。
「2トップをやったり、1トップ、トップ下もやることもある。僕はいろんなポジションに入っていて、真ん中をやることもあるし、経験としてすごく良い。これからにつながるかなと思います」と、プレーの幅を広げている自覚もあるようだ。
小川不在の今、前田大然(セルティック)が最前線に回ると見られるため、中村は三笘と代わって左ウイングバックに入る可能性が大。伊東と両サイドに陣取って幅を取った攻撃を仕掛けるというのはある意味、お手の物だ。
所属先でも伊東と中村がうまく絡めた時はチャンスが生まれている。直近15戦未勝利と結果が出ていないのは気掛かりではあるが、息の合った2人が共闘することのメリットは大きい。
「与えられた時間でやることが大事ですね。前回の中国戦でスタメンで使ってもらいましたけど、アシストとか結果で残すことができなかったので残念でした。しっかり勝てたので、僕としてはそんなに目に見える数字が出なかったのは気にしていません」と中村はまずフォア・ザ・チーム精神を強く押し出す覚悟だ。
とはいえ、場合によって彼はシャドーに入ったり、最前線に陣取ったりして、ゴールをこじ開ける必要が出てくることも考えられる。その時は日本屈指のフィニッシャーとしての能力を思い切り出し切ればいい。2024年6月の2次予選・ミャンマー戦以来の代表ゴールを奪ってくれれば、まさに理想的な展開と言っていい。
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S・ランス所属という意味ではもう1人、1月に移籍したばかりの関根大輝がいるが、バーレーン戦に限って言うと、出番が巡ってくる確率は低そうだ。彼が入るとすれば右ウイングバックか右CBだが、前者には堂安と伊東、後者には瀬古歩夢(グラスホッパー)と高井幸大(川崎)がいる。さらに両ポジションをこなすマルチ枠には、代表経験で上回る菅原由勢(サウサンプトン)が控えているからだ。
それでも、バーレーン戦で日本が切符を確保すれば、そこからは様々なメンバーにチャンスが与えられるはず。関根にとっての本当の勝負はサウジアラビア戦からになるのだ。
「もっと力をつけるためにフランスに挑戦しましたし、そのなかで日々、日本では感じたことのないようなことを経験させてもらっています。パリとかモナコと試合をして、もっと上がいるのは肌で感じたし、課題がいっぱい見つかっているので、それを克服しながら、サウジアラビア戦に向けてもやっていきたい」と本人も目を輝かせている。
伊東とは縦関係を形成するケースもあり、3人揃って代表のピッチに立てれば、新たな連係やコンビネーションを持ち込める可能性が少なからずある。
「チームの試合でも3人で関わってゴールまで行くことも多くありますし、そういうところはそのまま代表につなげられそう。純也君ともそのまま縦の関係を組むことがあると思うので、ランスで出してるものをここでも出していければいいですね」と関根は努めて前向きに言う。
それを具現化するためにも、まずは日本がバーレーン戦にしっかりと勝って、本大会への新たな一歩を踏み出すことが肝要だ。“史上最強”の呼び声が高い日本らしいゲームをぜひとも見せてほしいものである。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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