
2026年から、F1に11番目のチームとしてキャデラックが参戦することが確実となった。今、多くの人が疑問に思っているのは、ドライバーとして誰が選ばれるのかということだろう。
当初はアンドレッティがF1参戦プロジェクトを主導しており、キャデラックはそれをサポートする形だったが、紆余曲折ありキャデラックが主体となりF1参戦が実現した。
チームの経営陣の一員であるマリオ・アンドレッティは、キャデラックにアメリカの若き才能あるドライバーを起用し、験豊富なドライバーとコンビを組ませたいと語っていた。
この話題で必ず名前が挙がるのが、24歳のコルトン・ハータだ。彼は2022年からインディカーのアンドレッティ・グローバルチームに所属。昨年は2勝を挙げてランキング2位となった。
彼は今季でインディカー参戦7年目を迎え、マーカス・エリクソンがチームメイトとなっている。一方エリクソンは2014年から2018年までの5年間をF1で過ごし、ザウバーでルーキーのシャルル・ルクレールのチームメイトを務めた。
『スピード・ストリート』のインタビューで、エリクソンはハータを素晴らしい才能の持ち主であり、これまで対戦してきた中で「最高の1人」だと評した。
「コーナーのコンビネーションによっては、なぜあんなに速く走れるのか彼自身もうまく理解していないことがあるんじゃないかと僕は思う」
そうエリクソンはハータについて語った。
「彼はいろんなことを感じることができるし、様々な状況に適応するのがとてもうまいと思う」
「例えば路面が変わったり、コンディションが変わったりしてグリップが上がったり下がったりしたとき、彼はとてもうまく適応できるんだ。それが彼を本当に本当に優れた存在にしていると思う」
「彼が自分のゾーンにいるとき、ごく一部の人しかできないようなことができるんだ。だから、彼は僕がこれまで対戦した中で最高のチームメイトのひとりだ」
エリクソンは、ハータがF1に参戦するために必要なものを持っていると確信している。
「彼にその才能があるのは間違いない。F1とインディカーは、タイヤやサーキット、その他すべての面でまったく異なるシリーズであることは誰もが知っていることだが、彼がそこで非常に良い仕事をする可能性があることは間違いない」
一方、ハータ本人はF1転向という噂に翻弄されるのにいささか辟易としているようだ。
「僕は何年もその話を聞いてきた。しばらく鼻の下にニンジンが置かれていたよ。もうそれには飽きたし、今はただドライブしたいだけなんだ」
「噂のことはそれほど気にしていない。ただ今年のインディカーとタイトル獲得に集中したい」
「もし何かがあるとしたら、考えなければならない。受け入れるかどうかもまだ分からない。友人も家族もみんなアメリカにいるし、どこに行くかもわからないから、やるかどうかは大きな決断になる」